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ウバイド期 ウバイドきUbaid period

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ウバイド期
ウバイドき
Ubaid period

メソポタミアのハラフ期に次ぐ文化期。南部沖積平野 (エリドゥウルクウル,ウカイル,ウバイド) に初めて定着発展したと考えられる灌漑農耕を基盤とする原始農村文化。北部の遺跡にはアルパチャ,ガウラ,ニネベなどがある。この時期の集落の調査は進んでおらず,全体像をとらえることはできないが,ガウラやエリドゥのように神殿を中心としたかなりの規模の町邑も形成されはじめたと推定される。建築材として型作りの日干し煉瓦の使用が一般化した。土器はまだ輪積み手ずくねで,ハラフ期と比べて,胎土,焼成度,文様の面で質的に低下している。文様は部分的で,赤,黒褐色,暗緑色の単彩の幾何学文が主流を占める。利器は引続いて石器が用いられたが,石材の少い南部では素焼の半月形の鎌,斧,ナイフが実用された。金属器は輪,錐,ボタン形の銅器のほかは明らかでないが,柄を挿入する穴をもつ素焼の斧は銅斧を模したものと考えられ,鋳造が始った可能性がある。またこの時期から船の利用が始ったらしく,エリドゥやウバイドから小型の船形土製品が発見されている。遺物のなかでは,ハラフ期に続いて,石製のスタンプ印章が顕著である。滑石,瑪瑙,玉髄,閃緑岩,赤鉄鉱,ラピス・ラズリ,石灰岩,蛇紋岩など多くの石材が利用されるようになり,文様は幾何学文から形象文へ,しかも次第に造形化の傾向が認められる。

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世界大百科事典内のウバイド期の言及

【シュメール】より

…シュメールはまた,この地で発達した世界最古の都市文明や,この文明の創始・発展に決定的に貢献した民族や,その言語の名をも示す。
[定住――ウバイド期]
 この地はティグリス,ユーフラテス両大河の運ぶ肥沃な沈泥(シルト)によってつくられた沖積平野の中・下流地帯の低湿地で,アシの生い茂る沼沢や鹹湖があり,陸地の大部分は春に草の生えるだけの荒地であった。気候は前6000~前5000年ころも現在とほぼ似た半乾燥・亜熱帯状態にあった。…

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