ウレタンフォーム(その他表記)polyurethane foam

デジタル大辞泉 「ウレタンフォーム」の意味・読み・例文・類語

ウレタン‐フォーム

《〈和〉Urethan〈ドイツ〉+foam》ポリウレタンから作った発泡性の合成樹脂軟質のものは断熱吸音保温材に、硬質のものは建材救命ブイなどに使われる。ポリウレタンフォーム発泡ウレタン発泡ポリウレタン

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改訂新版 世界大百科事典 「ウレタンフォーム」の意味・わかりやすい解説

ウレタンフォーム
polyurethane foam

ポリウレタン骨格とする発泡体。ポリウレタンを合成する際,グリコール成分とジイソシアネート成分が水により反応し橋架け結合によって網状化する際に発生するガスを利用して,発泡体をつくる。

必要により他の発泡剤や発泡均一化剤が加えられることもある。得られるフォームには,軟質,半硬質,硬質の各種がある。軟質フォームはクッション性(形状復帰性)にすぐれており,マットレスシートなどに用いられる。硬質フォームは剛性があり,断熱性,低温特性にすぐれているため,冷蔵庫断熱材が最大の用途である。ほかにLPGLNGタンカーの断熱材にも用いられる。半硬質フォームは衝撃吸収力を利用して,自動車の内装材におもに用いられるほか,表皮を一体成形でつくる技術(インテグラルスキンドフォーム)が開発されたため,ファッション性も生かされるようになった。

 成形方法には,ワンショット法とプレポリマー法がある。前者は,原材料を同時に混合し,型内で発泡させる方法で,経済的であるため軟質フォームはほとんどこの方法でつくられている。プレポリマー法は,ジオールとジイソシアネートから,まずプレポリマーをつくり,ついで架橋発泡させる方法であり,発泡の均一性がよいため,硬質フォーム,半硬質フォームなど品質を重視する用途に用いられている。
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百科事典マイペディア 「ウレタンフォーム」の意味・わかりやすい解説

ウレタンフォーム

内部に気泡を保留させた多孔質のポリウレタン。生成過程で発生するガスを保留させたもの。一般に非常に軽量で,断熱性,防音性にすぐれ,硬質のものから軟質のものまでバリエーションがありマットレスやシートなどのクッション材,冷蔵庫やLNGタンカーの断熱材,その他防音材,包装用パッキング材などに広く利用される。

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「ウレタンフォーム」の解説

ウレタンフォーム

高分子化合物のポリウレタン樹脂から作られる発泡樹脂。軟質のものはクッションやマット、防音・断熱材、衣料材料など、硬質のものは建築物の構造材、家具の芯材などに使われる。◇和製語。「ポリウレタン(polyurethane)+フォーム(foam)」から。

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栄養・生化学辞典 「ウレタンフォーム」の解説

ウレタンフォーム

 ポリエーテルグリコールとジイソシアナートとの重付加反応でポリウレタンを製造し水を加えて発泡させつつ硬化させたもので,クッション材や包装に用いる.

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