ポリウレタンを骨格とする発泡体。ポリウレタンを合成する際,グリコール成分とジイソシアネート成分が水により反応し橋架け結合によって網状化する際に発生するガスを利用して,発泡体をつくる。
必要により他の発泡剤や発泡均一化剤が加えられることもある。得られるフォームには,軟質,半硬質,硬質の各種がある。軟質フォームはクッション性(形状復帰性)にすぐれており,マットレス,シートなどに用いられる。硬質フォームは剛性があり,断熱性,低温特性にすぐれているため,冷蔵庫用断熱材が最大の用途である。ほかにLPGやLNGタンカーの断熱材にも用いられる。半硬質フォームは衝撃吸収力を利用して,自動車の内装材におもに用いられるほか,表皮を一体成形でつくる技術(インテグラルスキンドフォーム)が開発されたため,ファッション性も生かされるようになった。
成形方法には,ワンショット法とプレポリマー法がある。前者は,原材料を同時に混合し,型内で発泡させる方法で,経済的であるため軟質フォームはほとんどこの方法でつくられている。プレポリマー法は,ジオールとジイソシアネートから,まずプレポリマーをつくり,ついで架橋発泡させる方法であり,発泡の均一性がよいため,硬質フォーム,半硬質フォームなど品質を重視する用途に用いられている。
執筆者:森川 正信
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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