翻訳|air curtain
出入口に気流の膜を作ることによって,人や物の通過は可能だが,室内外の空気は混ざり合わないようにする装置。空気のもつ熱,空気中のほこり,臭気,細菌,小さな虫などの出入りを遮断できる。建物全体の空気調和の吹出空気とは別に,周囲の空気を吸い込んでスロット(細長い吹出口)から吹き出させるもので,必要に応じて冷暖房,加湿,除塵,脱臭,殺菌などの装置が付加される。気流の吹出方向からは出入口の上から吹き下ろす上下流式と,横から吹き出す横流式があり,また気流の作り方には吹出しのみの方式(プッシュ式)と,対向する位置に吸込口を設ける方式(循環式,プッシュプル式)がある。遮断能力は吹出空気の厚さと風速で決まるが,風圧や室内外の圧力差に耐えるために吹出方向を15~30度風上(正圧)側に向ける。プッシュ式よりも吸込口を併用する方式のほうが性能は優れている。また周囲の空気の巻込量を減らすためには,気流の厚さ方向で風速に差をつける方式(多層流式)もある。循環式,プッシュプル式を上下流式に用いると,床下に吸込口を埋め込む必要があるので,近年はこれを避けるためにゲート型などの横流・循環式の使用が増えてきた。なお,プッシュ式の場合にも,横流式にすれば床での気流のはね返りが避けられるので,吸込口がある場合と同様の効果があり,床にたたき落とされた虫がはって侵入することも防止できる。
人や物の出入りが頻繁でそのつど戸を閉めることが繁雑,または連続的に開扉状態になってしまう場所や,空気の出入りをできるだけ少なくしたい場所で,冷暖房の熱負荷の軽減,出入口付近の室内の居住性の向上,衛生的条件の確保などの目的で,通常はドアと併用される。商店建築では,客が入る際の心理的抵抗を減らすために,入口を開放した状態で使われる場合がある。日本では1955年ころからデパートで使われ始め,現在では商店,デパート,銀行,その他一般のビル,工場,食品加工工場,冷凍庫,冷蔵庫など,幅広い用途に使われている。
執筆者:真鍋 恒博
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
建物の出入口を開けたまま人や物を自由に通す一方、空気や昆虫の出入りをできるだけ遮断しようとする設備。出入口の上部または側面の細長い開口から空気を吹き出し、床面または他の側面の開口から吸い込む。出入口面が流動空気で覆われるのでエアドアともいう。最近は吹出し口だけをもつタイプが普及している。人の出入りの多い百貨店や商店、工場や冷凍室の出入口によく用いられている。人の出入口の場合は空調した空気を吹き出すことが望ましい。
[石原正雄]
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