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エアクッション船 エアクッションせん

百科事典マイペディアの解説

エアクッション船【エアクッションせん】

英国で開発された型式の商標名ホバークラフトの名で一般には知られる。空気を下方に噴出して機体をわずかに浮上させ,機体底面と走行面との間に空気層(エアクッション)を介在させ,プロペラ,ジェット,あるいは浮揚力の水平分力で推進する乗物。ACV(air cushion vehicleの略),ジェム(GEM,grourd effect machineの略),サーフェス・エフェクト船などとも呼ばれる。エアクッションの作り方によって,浅い椀(わん)を伏せたような形の機体の内面にファンで空気を圧送し,その内圧を高めて浮上するプレナム・チェンバ型と,船底周辺に沿って空気を噴出して空気のカーテンを作るアニュラージェット型がある。前者は効率はやや劣るが構造が簡単で軽量なので,小型のスポーツ用などに使用,後者は効率はよいが構造が複雑となる。機体周辺にフレキシブルスカートを付けて性能を向上させたものが大型の輸送用機体に使われているが,このフレキシブルスカートを全周にわたって装備した型が,一般にホバークラフトと呼ばれるもの。推進はガスタービン駆動のプロペラによるものが最も多い。エアクッション船は走行面との摩擦抵抗がほとんどないので,時速100km以上の高速で運航できる長所があるが,路上用としては操向,制動,騒音などに難点が多く,もっぱら水上走行用である。創始者は英国のC.コックレル。英国で盛んに研究開発が進められ,実用化も最も早く1962年に定期運航を開始,500人搭乗の大型ホバークラフトによるドーバー海峡横断航路も開かれている。日本では1969年7月蒲郡〜鳥羽に定期就航したのが最初。
→関連項目プロペラ船

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世界大百科事典 第2版の解説

エアクッションせん【エアクッション船】

機体と水面(あるいは地面)との間に大気圧より高い圧力の空気層(エアクッション)を保持して,これにより機体の重量を支え,水面近くを浮上して航走する乗物。ACV(air cushion vehicleの略),あるいは地面効果ground effectを利用して浮上することからジェム(GEM。ground effect machineの略),エアカーair carなどとも呼ばれるが,在来の船では達成できない100ノット近い超高速を期待できるなど,海上の交通機関としての利用価値が高いことからエアクッション船と呼ばれる場合が多い。

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世界大百科事典内のエアクッション船の言及

【舟∥船】より

…人や物を乗せて水上を渡る乗物。これが一般的な定義であるが,現在では水面下を行動する潜水船や,空気圧によって水面上を浮上して走行するエアクッション船もあり,これらも広く船に含めている。慣例では,大型のものには〈船〉,ごく小さいものには〈舟〉を用いるのがふつうである。…

※「エアクッション船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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