エトナ火山(読み)えとなかざん(その他表記)Etna Volcano

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エトナ火山」の意味・わかりやすい解説

エトナ火山
えとなかざん
Etna Volcano

イタリア、シチリア島東部、カターニア地方にある活火山。標高3323メートルで、ヨーロッパでは最大標高の活火山である。アルカリ岩質の玄武岩などからなる成層火山で、なだらかな円錐(えんすい)形。山頂火口は東西約800メートル、南北約500メートル。寄生火山が約260個あり、有史以後にできたものも多い。

 世界最古の噴火記録の紀元前693年以降、数多くの噴火記録がある。噴火は山頂火口のほか、火口から南と北東に延びる弱線(リフトゾーン)から発生する。ストロンボリ式からハワイ式噴火を繰り返し、溶岩流によってしばしば大被害を与えた。1169年の約1万5000人、1669年の約1万人の死者は、おもに溶岩流による。1928年には二つの町が溶岩流でほぼ埋まった。1947年、1971年、1981年、1983年にも噴火がおこった。1990年代に入ると、1992年、1995年、1997年と玄武岩質マグマを短い間隔で周期的に空中に放出するストロンボリ式噴火を繰り返し、火口からは溶岩が流出した。1998年には北東、ボッカノーバ、ボラージン、南東の各火口からの同時噴火が観察され、溶岩噴泉を伴う噴火を繰り返し、火口が崩れるたびに火山灰を吹き上げた。また2000年から2001年にかけては、南東火口とボッカノーバ火口で断続的に噴火が継続し、溶岩が流下した。2002年10月の噴火では、標高2400メートル付近の複数の亀裂(きれつ)から溶岩流の流出がみられた。その後も、活発な火山活動を継続し、毎年のように、噴火を繰り返している。

 エトナ山は標高約1300メートルまで耕地化され、穀物、ブドウ、ミカン類が栽培される。東から南および南西側にかけての山麓(さんろく)は世界的な人口密集地帯。著名な観光地で、山腹まで自動車道ができており、来遊者が多い。溶岩流が市街地に流れないように土手をつくったり、新たな溝を掘るなどの対策が試みられている。また、カターニアには、地球科学関連の国立研究機構(INGV=Instituto Nazionale di Geofisica e Vulcanologia)の支所があり、ヨーロッパにおける火山研究の中心地の一つでもある。

諏訪 彰・中田節也]

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最新 地学事典 「エトナ火山」の解説

エトナかざん
エトナ火山

Etna volcano

地中海シチリア島東部のイオニア海に面する欧州最大の活火山。基底直径50km×40km, 標高3,350m。A.Rittmann(1960)によれば楯状火山の上に成層火山。山頂から山腹にかけて大小266の火口があり,そのいくつかは有史以後に活動。噴出物はソレアイト質玄武岩からのちにアルカリ玄武岩・ハワイアイトなどに変化。活動は30万年前よりやや古い時代に海中噴火で始まり,多量の枕状溶岩を形成。BC693年または475年から今日まで頻繁に活動記録がある。一般にストロンボリ式の活動を行い,1669年にはCataniaに溶岩を流下した。

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