粘り気がごく少ない高温のマグマが火口から噴泉のように噴出される現象。ラバ・ファウンテンlava fountainともいう。玄武岩質のハワイやアイスランドの諸火山でよくみられ、とくに数珠(じゅず)つなぎの多数の火口ないし一連の割れ目から溶岩噴泉が出現することが多く、これはファイアーカーテンfire curtainとよばれる。
1950年ハワイのマウナ・ロア火山の割れ目噴火では、溶岩噴泉が延べ二十数キロメートルも連なった。1959年キラウエア火山イキ火口の溶岩噴泉は高さ600メートルに達した。伊豆大島や三宅島(みやけじま)も、この種の噴火がみられることがある。1986年(昭和61)伊豆大島では中央火口のストロンボリ式噴火に引き続いて、カルデラ床や外輪山腹で割れ目噴火が発生した。カルデラ床の溶岩噴泉による噴煙柱は高さ1万6000メートルにも達した。この種の噴火では、溶岩流による災害が生じることがある。
[諏訪 彰・中田節也]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…日本の火山の多くは爆発的な噴火をするので,火山の〈噴火〉と〈爆発〉とが同じ意味に使われることがある。しかし,粘性の低いマグマが火口から噴水のように吹き上げる溶岩噴泉lava fountainのように,爆発的でない噴火の様式もある。噴火は火山活動の中でも特に重要なものであり,現在地球上では毎年数十件の噴火が報告されている。…
※「溶岩噴泉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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