寄生火山
きせいかざん
大きい火山(おもに成層火山や楯状(たてじょう)火山)の山腹からの噴火によって、こぶのように生じた火山。側火山または側火口ともいう。玄武岩質火山の寄生火山は砕屑(さいせつ)丘(火砕丘、スコリア丘)が、安山岩質火山の寄生火山は溶岩円頂丘が多い。
寄生火山の数は火山によって違うが、流動性に富む溶岩を出す大型火山ほど概して多い。また、寄生火山が特定の方向に密集することがある。日本で寄生火山が多いのは富士山の70余で、その過半数は、山頂を通る北北西―南南東の方向(フィリピン海プレートの進む方向)に分布している。さらに、イタリアのエトナ火山には寄生火山が約250もある。
[諏訪 彰・中田節也]
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寄生火山
きせいかざん
parasitic volcano
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きせい‐かざん ‥クヮザン【寄生火山】
〘名〙 大きな火山の中腹や山麓に新しくできた小火山。富士山における宝永山、浅間火山における小浅間山など。側火山(そくかざん)。〔英和和英地学字彙(1914)〕
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寄生火山
大型火山体の山腹に生じた小型の副次的火口[Daly : 1933].→寄生火口
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世界大百科事典内の寄生火山の言及
【側火山】より
…成層火山,ハワイ型楯状火山などの大型の複成火山山腹に,あたかも寄生したように生じている小型火山。寄生火山parasitic volcanoという言葉も使われたが,現在では成因を含まない名称の側火山が多用される。側火山はスコリア丘,溶岩円頂丘,軽石丘,マールなど,ほとんどの場合1輪回(りんね)の噴火だけを行って生じた単成火山である。…
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