エリスロポエチン(読み)えりすろぽえちん(英語表記)erythropoietin

翻訳|erythropoietin

日本大百科全書(ニッポニカ)「エリスロポエチン」の解説

エリスロポエチン
えりすろぽえちん
erythropoietin

動物体内の造血組織に働いて赤血球の新生を促す体液性因子をいう。この物質はシアン酸を多く含む分子量3万~4万の酸性糖タンパク質で、骨髄の幹細胞に働き、それを前赤芽球に分化させることに関与する。通常は血液中にわずかしか存在しないが、貧血や低酸素状態(たとえば高山に登る場合など)になると血中に増加し、尿中にも出てくる。種々の原因による貧血患者の血中・尿中には多いが、腎(じん)性貧血患者の場合には少ない。主要な産生臓器として腎臓が考えられている。これまで生物検定法として、鉄放射性同位元素の造血細胞への取り込みなどが利用されていたが、ラジオイムノアッセイが開発され、有効性が検討されている。

[和田 勝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「エリスロポエチン」の解説

エリスロポエチン
erythropoietin

腎臓から分泌される造血因子。シアル酸を多く含む糖蛋白で,末梢血液中の酸素含量が低下すると分泌が促進される。コバルト投与腎腫瘍によっても亢進する。エリスロポエチンを投与すると,有核赤血球中のグロビンおよびヘムの新生が,5時間目と 24時間目にそれぞれ盛んになる。性腺甲状腺,下垂体などを摘出するとエリスロポエチンの分泌が減少し,造血が抑制されて,貧血状態となる。測定にあたっては,貧血ヒツジ血清から精製した標準品を用いる。

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