オカガニ(英語表記)Cardisoma hirtipes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オカガニ
Cardisoma hirtipes

軟甲綱十脚目オカガニ科 Gecarcinidae。甲幅 6cm内外。沖縄県以南の亜熱帯,熱帯地方の島々に分布し,タコノキ(→タコノキ科)など海浜植物の生えている海沿いの地帯や河川に沿った畑や堤防などに穴居している。陸上生活への適応度は近縁のギターサオカガニ(オオオカガニ)C. carnifex よりも強い。しかし,繁殖期には海へ移動,波打ちぎわで海水につかって幼生を放つ。幼生は海産カニ類と同様に,ゾエアメガロパを経て稚ガニに変態する。幼生を放つのは 6~7月中旬の満月前後の大潮のときで,要する時間はわずかに 3~5秒である。ミクロネシアでは食用とする。オカガニ科にはほかに 4属約 20種が知られているが,いずれも陸上生活に適応し,総称的に land crabと呼ばれている。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オカガニ
おかがに / 岡蟹・陸蟹
land crab
[学]Cardisoma hirtipes

節足動物門甲殻綱十脚目オカガニ科に属する陸生のカニ。沖縄県八重山(やえやま)列島から南太平洋、インド洋西部の島々まで広く分布する。海岸近くのアダンなど海浜植物の生えている地帯から、河川に沿っての畑や堤防など比較的乾燥している場所まで生息していて、海岸から数キロメートルも離れた場所まで達している。甲幅6センチメートルに達する大形種で、甲が著しく硬い。外形はサワガニに似ている。甲面は滑らかで、甲の側縁が大きく湾曲し、眼窩(がんか)外歯の直後に小さな切れ込みがある。はさみ脚(あし)は左右で大きさが異なる。6~8月の満月か新月前後の大潮時、日没後に巣穴から出て波打ち際で幼生を放つ。ごく近縁のミナミオカガニ(別名オオオカガニまたはギターサオカガニ)C. carnifexは、オカガニと生態的にすみ分けており、マングローブ湿地付近や海岸近くの砂地に巣穴を掘って生活している。いずれの種も南方の島々では食用とされている。[武田正倫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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