おとこようぞめ(読み)オトコヨウゾメ

デジタル大辞泉 「おとこようぞめ」の意味・読み・例文・類語

おとこ‐ようぞめ〔をとこ‐〕

レンプクソウ科の落葉低木。日本特産で、山地自生。高さ約2メートル。樹皮は灰色。葉は卵形で縁にぎざぎざがある。5、6月ころ、白色の花を数個ずつ下向きにつけ、実は赤色でのちに黒変する。こねそ。

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精選版 日本国語大辞典 「おとこようぞめ」の意味・読み・例文・類語

おとこ‐ようぞめをとこやうぞめ

  1. 〘 名詞 〙 スイカズラ科の落葉低木。本州四国九州の山地に生える。高さ二メートル内外。樹皮は灰色。葉は対生し、短い柄をもつ長さ三~七センチメートルの卵状楕円形で先は鋭くとがり、縁にあらい鋸歯(きょし)がある。五、六月ごろ、新しい枝の先に淡紅色を帯びた白色の小花を傘状に数個つけ、下垂する。果実は楕円形で熟して赤くなる。こねそ。〔日本植物名彙(1884)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「おとこようぞめ」の意味・わかりやすい解説

オトコヨウゾメ
おとこようぞめ
[学] Viburnum phlebotrichum Sieb. et Zucc.

スイカズラ科(APG分類:ガマズミ科)の落葉低木。中部地方でガマズミのことをヨウゾメとよぶことから、男ガマズミの意味とする考えがある。しかし名前に似合わず、枝、葉、花序などはむしろ繊細で弱々しい印象がある。高さは2メートルほど。葉の裏には長い寝た毛があり、葉柄は短い。乾くと花とともに葉が黒くなる特徴がある。花序は散房形、柄が細いためすこし垂れぎみで、花の数も少ない。花は4~5月に開き、花冠は白、またはかすかに紅色を帯びる。果実は秋に赤く熟す。日本特産種で、本州、四国、九州の山地に普通にみられる。

[福岡誠行 2021年12月14日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「おとこようぞめ」の意味・わかりやすい解説

オトコヨウゾメ
Viburnum phlebotrichum

スイカズラ科の落葉低木で,本州,四国,九州の山地に生え,高さ 2mぐらいになる。若枝は赤色を帯びるが,古くなると灰色となる。葉は対生し,葉身は卵状楕円形で先は鋭くとがり,縁には鋸歯がある。葉質はやや薄く,青緑色であるが,乾くと黒色になる。5~6月に,短枝の先に散房花序を出し垂れ下がる。花冠は直径 1cm以下,淡い桃色で美しく,先は5裂して平らに開く。秋に平らな広楕円形,赤色の核果がぶら下がってつく。

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世界大百科事典(旧版)内のおとこようぞめの言及

【ガマズミ】より

…前2種より高い所まで生育できる。オトコヨウゾメV.phlebotrichum Sieb.et Zucc.(イラスト)は花序の柄が細く,花の数が少なく,葉の裏面脈上に絹毛があり,乾くと黒くなる。常緑性のハクサンボクV.japonicum (Thunb.) Spreng.が本州暖地の沿海地から九州,琉球,小笠原に分布する。…

※「おとこようぞめ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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