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オルバースの背理 オルバースのはいり

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大辞林 第三版の解説

オルバースのはいり【オルバースの背理】

1823年にドイツのオルバース(H. Olbers)が提出した宇宙の有限・無限に関するパラドックス。もし宇宙が無限に広く、星が一様に分布しているならば、空は昼夜を問わず無限大の明るさになるというもの。この矛盾は「宇宙が膨張していることおよび進化していること」で説明できる。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オルバースの背理
おるばーすのはいり
Olbers' Paradox

無限に大きな宇宙で、夜空がなぜ暗いのかという疑問のこと。オルバースパラドックスともいう。ドイツ天文学者で医者のオルバースHeinrich Wilhelm Matthus Olbers(1758―1840)の論文『夜空の透明度について』に由来して、この名がある。夜空が暗いのは、太陽が見えないからだと考えるかもしれないが、ことはそれほど単純ではない。夜空には星がある。夜空の一点を見た場合、視線をどんどん延長していくと、無限大の宇宙なら、かならず視線はどこかの星に達する。つまり、夜空はどこを見ても、星がぎっしり詰まっているはずで、もしそれらの星が太陽と同じようなものとすると、夜空は6000K(ケルビン)の温度に相当する黒体放射の光で覆い尽くされていることになる。
 この背理に初めて気がついたのはケプラーで、このため彼は有限宇宙説を採用した(1610)。オルバースは、星の光が途中で吸収されるので、この難問は解決できると考えたが(1823)、吸収された光はいずれ再放出されるので、解決にはなっていないと、イギリスの天文学者ハーシェルは1848年に指摘している。
 問題の真の解決は、20世紀になって発見された「宇宙の膨張」にあるというよりはむしろ「宇宙の年齢の有限性」にある。遠方を見ることは、昔にそこを出発した光を見ることだから、過去を見ていることになる。視線をどんどん延長すると、宇宙のどんどん過去を見ることになり、約130億光年のかなたで宇宙の始まりに遭遇し、それより遠くは見ることができない。宇宙自体は無限大であるとしても、宇宙の年齢が有限であるため、視線を無限に延長することはできないのである。宇宙の年齢が有限であることは、現代のビッグ・バン宇宙論の帰結である。[松田卓也]
『堀源一郎著『宇宙はどこまで広がっているか』(1986・岩波書店) ▽森本雅樹著『宇宙の旅200億年』(1987・岩波書店) ▽池内了著『宇宙論のすべて』(1998・新書館) ▽J. M. Overduin, P. S. Wesson Dark Sky, Dark Matter(2002, Institute of Physics Publishing, Bristol)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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