日本大百科全書(ニッポニカ) 「オルランド」の意味・わかりやすい解説
オルランド
おるらんど
Vittorio Emanuele Orlando
(1860―1952)
イタリアの法学者、政治家。ドイツ法学に基づくイタリア公法の創立者、ローマ大学憲法学教授(1901~1931)。1897年以降代議士に連続当選するとともに、1903年以来閣僚を歴任し、第一次世界大戦中、カポレットの敗戦(1917年10月)直後には挙国一致政府の首相としてイタリアの勝利に貢献した。戦後も引き続いて政権を担当し、パリ平和会議にイタリアの首席代表として参加したが、フィウーメ問題で意見が認められず、国粋的国内世論の非難のなかで1919年6月首相を辞任した。その後、国会議員としてファシズムに好意的であったが、1925年1月3日以後、反ファシズムを宣言した。ファシズム体制下では政界を去ったが、保守的立場からレジスタンスを支持した。第二次世界大戦後、制憲議会の議員となり、その後上院議員を務めた。
[重岡保郎]