オーモンデー(読み)おーもんでー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーモンデー」の意味・わかりやすい解説

オーモンデー
おーもんでー

長崎県五島(ごとう)列島嵯峨ノ島(さがのしま)(五島市三井楽(みいらく)町)に伝えられる古い盆踊り。同市福江(ふくえ)島のチャンココと同系の太鼓踊りで、月遅れの8月の盆に、集落の青年たちが踊る。国の選択無形民俗文化財に指定されている。半袖シャツに短い腰巻、五色の切り紙で飾った兜(かぶと)を頭にかぶっている。太鼓を首から下げ、両手に短い桴(ばち)を持ってこれをたたき、円陣をつくって踊る。行きつ戻りつし、身をよじり、身をかがめ、桴をかざして天を仰ぐ。鉦叩(かねたた)きが2人、踊り手は10人。鉦叩きの唱える歌詞は「モーデーホー オーモン オーモン オーオー デーホー オーモンデー オーモンデー」といったもの。初盆の家ごとに踊り、寺や墓所で踊る。南国らしい供養念仏踊である。

[萩原秀三郎]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オーモンデー」の意味・わかりやすい解説

オーモンデー

長崎県五島市三井楽町嵯峨島で 8月14日(もとは旧暦 7月14日)に踊られる念仏踊。大鉦を持つ 4人の叩きが唱える歌に合わせて,8~12人の踊り手が腰の締太鼓を叩きながら輪になって踊る。踊り手は素足で,そろいの柿色の半袖シャツ(襦袢)に,舞葺(まいぶき)の葉を編んだ腰蓑,黄色い腰布姿で,頭には 5色の切り紙を飾りつけて,後方に地面につくほどの長い幅広紙を垂らしたかぶりものを着ける。オーモンデーの名は,鉦叩きの唱える「モーデーホー」「オーモンオーモンオーデーホ」「オーモンデーオーモンデー」などの詞に由来する。新盆の家々を訪ねて踊るとともに,墓地をめぐる。五島列島には,ほかにも同系統の念仏踊が伝承されており,福江のチャンココ踊,玉之浦のカケ踊などが知られている。

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事典・日本の観光資源 「オーモンデー」の解説

オーモンデー

(長崎県五島市)
長崎県文化百選 祭り・行事編」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内のオーモンデーの言及

【五島列島】より

…辺地の入江には小さな教会が見られ,自然景観にアクセントを与えている。南方風俗の盆供養の念仏踊が,チャンココ,オーモンデーなどとよばれて各地に残存する。値嘉島(ちかのしま)【竹内 清文】。…

※「オーモンデー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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