日本大百科全書(ニッポニカ) 「嵯峨ノ島」の意味・わかりやすい解説
嵯峨ノ島
さがのしま
長崎県、五島列島(ごとうれっとう)福江(ふくえ)島の北西約4キロメートルの海上にある島。五島市に属する。面積3.17平方キロメートル。西海国立公園(さいかいこくりつこうえん)に含まれる。古くは遠島(えんとう)とよばれた流人(るにん)の島。現在は、漁業が盛ん。島の中央部にカトリック集落の嵯峨島(さがのしま)があり、嵯峨島教会が建つ。この島は二つの火山がその裾野(すその)でつながってできた一つの島で、北方の男岳(おだけ)はホマーテ(臼(きゅう)状火山)、南方の女岳(めだけ)はアスピーテ(楯(たて)状火山)で、西海岸は海食によって頂上の火口付近まで削られて一大断崖(だんがい)をなしている。断崖には、火山の内部構造がはっきりと露出し、火山の噴出状況が顕著に示されている島としても有名である。「オーモンデー」とよばれる念仏踊が伝承され、国の選択無形民俗文化財となっている。福江島の貝津(かいつ)から船で30分。人口200(2009)。
[石井泰義]