カテーナ(その他表記)catena

翻訳|catena

改訂新版 世界大百科事典 「カテーナ」の意味・わかりやすい解説

カテーナ
catena

鎖を意味するラテン語に由来する土壌地理学の用語。母材が同じ地帯であっても起伏地形)や排水条件の違いによって,異なる土壌型が生成する。こうした一連の土壌群がカテーナと呼ばれる。その好例は丘頂から谷底にかけての地形断面に見られる。カテーナは,小気候,植生,動物相,土地利用,作物集落立地などとも関連があるので,地域環境や景観の比較研究にとっては優れた複合対象であり,そのためカテーナは景観系列の意味にも使用されることがある。1973年に西ドイツのカテーナ社が創刊した同名の学術雑誌(編集局はブラウンシュワイク大学の自然地理学・地域生態学教室)は,土壌学,水文学,地形学などにわたる学際的な国際的雑誌であり,この名称は,関連科学や諸学派の思想,諸国民をつなぐ役割にふさわしいものとして選ばれた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カテーナ」の意味・わかりやすい解説

カテーナ
Catena, Vincenzo

[生]? ベネチア
[没]1531. ベネチア
イタリアの画家。ベネチアで制作に従事。 G.ベリーニおよび G.チーマ模倣者として出発。 1506年にはジョルジョーネとなんらかの協力関係があった。晩年はパルマ,ラファエロ,ティツィアーノの影響を受ける。ロマンチックな風景と都会人の表現を得意とした。作品には,ベネチアのサンタ・マリア・マテル・ドミニ聖堂の祭壇画『聖クリスチナ』や『聖家族』 (ロンドン,ナショナル・ギャラリー) などのほか,数点の肖像画がある。

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