カラスムギ(烏麦)(読み)カラスムギ(英語表記)Avena fatua; wild oat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カラスムギ(烏麦)」の意味・わかりやすい解説

カラスムギ(烏麦)
カラスムギ
Avena fatua; wild oat

イネ科の二年生帰化草本。野原や荒れた畑などに生える。ヨーロッパ原産で高さ約 1mになる。葉はコムギより幅が広く濃緑色,直立した稈 (わら) の上端に数段に小枝が輪生し,これら小枝の上端に小穂を生じる。小穂は下垂して3~4花をつけ,穎果 (えいか) にはよじれた長い芒 (のぎ) がある。このカラスムギから改良されたとされるのがマカラスムギあるいはエンバクオートムギと呼ばれるもので A. sativaという別種として扱われている。耐寒性が強く北欧やロシアの高緯度地方でも栽培される。これをあぶって破砕したものがオートミールである。食用のほかウイスキー原料にも使われる。日本には明治の頃牧草として輸入され,特に軍馬飼料として有名であった。

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