ペプチドホルモンの一つ.ほ乳類では主として甲状腺から,鳥類,両生類および魚類などでは鰓(さい)後腺から分泌されている.32個のアミノ酸から構成されるが,動物の種差によりアミノ酸組成は異なる.ヒト,ウシ,ブタ,サケ,ウナギなどのカルシトニンの構造が研究されている.ヒトの構造は次に示す(一文字表記([別用語参照]アミノ酸),C末端がアミド化されている).
CGALSTCMLGTYTQDFNKFHTEPQTAIGVGAP-CONH2
血清カルシウムとリン酸の低下作用,骨吸収抑制作用,抗ガストリン作用などがある.ぺージェット病,骨粗しょう症,原発性副甲状腺機能亢進症などの治療に用いられている.[CAS 9007-12-9]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…哺乳類ではC‐細胞といって,甲状腺の濾胞細胞の間あるいは濾胞間に散在するが,哺乳類以外の脊椎動物では1対あるいは1個となって存在する。ともにカルシトニンcalcitoninを分泌する。円口類には存在しない。…
…すなわち,骨からのCaやPなどの塩類の溶出を促進するとともに,腎臓でのビタミンD活性化の促進により腸管からのCaとPの吸収を増加し,さらに,腎尿細管でのCaの再吸収促進とPの再吸収抑制を行うのである。なお,このホルモンの分泌は,カルシウムイオンCa2+濃度低下により亢進するが,これと拮抗するものに,甲状腺濾胞傍細胞から分泌されるカルシトニンcalcitonin(チロカルシトニンともいい,32個のアミノ酸からなる)があり,これには血中Ca2+降下作用がある。
[副甲状腺の異常]
副甲状腺の機能の異常によりCaとPの代謝異常が起こる。…
…魚類には副甲状腺はない。(5)鰓後腺(さいこうせん)ホルモン カルシトニンともいわれる。哺乳類とサケやマスで一次構造が明らかにされている。…
※「カルシトニン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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