カルダン(英語表記)Pierre Cardin

デジタル大辞泉 「カルダン」の意味・読み・例文・類語

カルダン(Pierre Cardin)

[1922~2020]フランスの服飾デザイナーディオール事業に参加したのち独立。未来的・宇宙的なデザインユニセックスファッションで一躍有名となる。

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改訂新版 世界大百科事典 「カルダン」の意味・わかりやすい解説

カルダン
Pierre Cardin
生没年:1922-

現代パリ・モードの代表的なデザイナー。ベネチアに生まれ,グルノーブルで育った。第2次世界大戦中,ビシー洋裁を学び,戦後パリに出てパカンの店に入った。ここでJ.コクトー,クリスチャン・ベラール,ジャン・マレーなどの演劇人と知り合い,コクトーの映画《美女と野獣》のコスチュームをデザインした。1946年,ディオールの店に移り,共同で,〈ニュー・ルック〉ファッションを発表した。50年に自分のアトリエを開き,53年から独立でオート・クチュール(高級注文服)のコレクションに参加した。さらにいちはやくプレタポルテ既製服)を手がけ,紳士服,子ども服の部門をつくった。カルダンは洋服のほか,食器家具自動車など,あらゆる分野のデザインを試みており,またコクトーとの出会い以来,舞台芸術に関心を持ち,1970年,劇場エスパース・ピエール・カルダンをつくった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルダン」の意味・わかりやすい解説

カルダン
Cardin, Pierre

[生]1922.7.7. イタリア,サンビアージョディカラルタ
[没]2020.12.29. フランス,ヌイイシュルセーヌ
フランスのファッションデザイナー。婦人服のほかに,ファッション性の高い紳士服も扱った。フランスの裕福なワイン商人の家に生まれ,子供の頃から洋服の仕立てに興味をもつ。17歳でフランスのビシーに渡り,紳士服店で働く。第2次世界大戦後,パリのファッションメゾン,パキャンに入社し,ジャン・コクトーの映画『美女と野獣』の衣装デザインを担当。クリスチャン・ディオールオートクチュール店で主任裁断師を務めたのち,1950年に独立し自身の店をもつ。メンズスーツの仕立てが評判となる一方で,1959年にレディスのプレタポルテコレクションを,1960年にメンズのプレタポルテコレクションを発表した。1960年代半ばには,短めのチュニックにビニール製のヘルメットゴーグルを組み合わせた「宇宙ルック」で話題を集めた。サングラスなどのさまざま服飾製品に自身の名をつけるライセンスビジネスも手がけ,後進デザイナーの経営戦略に道筋をつけた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルダン」の意味・わかりやすい解説

カルダン
かるだん
Pierre Cardin
(1922―2020)

フランスの服飾デザイナー。ベネチア生まれのフランス人。パキャン、スキャパレリ店などを経て、1947年にはディオール店で、ニュールックの誕生に参画。のち独立し、1957年から矢つぎばやに斬新(ざんしん)なアイデアを打ち出し、一躍スターダムにのし上がる。1966年のコスモコール・ルックは未来的なユニ・セックス・ファッションで、宇宙時代を告げるものであった。モード界きってのアイデアマンで、オートクチュールのレーベルがついた既製服、紳士、子供を含む家族ぐるみの衣類、身の回り品、家具など生活用品に及ぶ創作活動、新しい芸術空間「エスパス・カルダン」、レストラン「マキシム」の経営など多方面に活躍。そのライセンスの販売網は全世界に広がっている。1992年、ファッション・デザイナーとしては初めてアカデミー・フランセーズ会員となった。

[深井晃子]

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百科事典マイペディア 「カルダン」の意味・わかりやすい解説

カルダン

フランスの服飾デザイナー。イタリア生れ。ディオールの店などで働いたが1950年に独立。〈布の魔術師〉といわれ,すぐれた裁断技術と豊かな色彩感覚をもつ。オートクチュール(高級注文服),ついでプレタポルテ(既成服)にも早くから進出し,婦人服のほか紳士服,子ども服の部門も手がけた。また,家具,食器,自動車などのデザインのほか,1970年にはエスパース・ピエール・カルダン劇場をつくるなど,多方面で活躍する。

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