キンデルダイク-エルスハウトの風車群(読み)キンデルダイクエルスハウトのふうしゃぐん

世界遺産詳解 の解説

キンデルダイクエルスハウトのふうしゃぐん【キンデルダイク-エルスハウトの風車群】

1997年に登録されたオランダの世界遺産(文化遺産)。オランダ第2の都市ロッテルダムの南東に位置する。世界的に有名なオランダの風車は、干拓地ポルダー)の排水のための施設である(オランダ伝来当初は製粉に利用された)。低湿地干潟を干拓してできたオランダの国土は4分の1以上が水面下にあり、風車は欠かせないものだった。現在は動力ポンプに取って代わられ、風車は本来の役目を終えたものがほとんどだが、同国の貴重な観光資源になっている。キンデルダイク-エルスハウト地区はオランダを代表する古くからのポルダーで、ここには18世紀に造られた19の風車がたいへんよい状態で保存され、オランダならではの風車のある光景が人気を集めている。ちなみに、オランダの風車は偏西風を利用するため、すべて西向きに造られている。同地区の風車群は、毎年4~10月、祝日を除く毎日、風車の内部が見学できる。また、7~8月の毎週土曜日には風車が回され、9月の第2週には、毎晩イルミネーションが風車を美しく飾るイベントが行われている。◇英名はMill Network at Kinderdijk-Elshout

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

百科事典マイペディア の解説

キンデルダイク-エルスハウトの風車群【キンデルダイクエルスハウトのふうしゃぐん】

オランダ南西部の大都市ロッテルダムの南東約10kmの近郊に位置するキンデルダイク,エルスハウトには,1740年頃に造られた19基の巨大な風車が立ち並んでいる。かつてオランダ国内には約9000の風車があり,海面下の土地の排水や製粉などに使われていたが,現在これだけまとまって残っているのはここだけといわれる。往時の産業遺跡も今は専ら観光用となっている。1997年世界文化遺産に登録。

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