アメリカの心理学者。アイオワ州ジェファソン生れ。アイオワ州立大学の新聞学科で教えていたが,多様な読者が新聞紙面のどこに興味をもつかについていくつかの面接調査を行い,その過程で,大量のグループの〈意見〉〈動向〉を,選び出した統計的に操作処理可能な数の標本sampleを調べることで測定する技法を開発。1935年,アメリカ世論研究所American Institute of Public Opinionを設立。翌36年の大統領選挙の予想で,ほかの各機関(最大のライバルはLiterary Digest社)と競合。ほかの予想が大幅に狂ったのに対して,わずか2000人という少数サンプルにもとづいたギャラップ調査はF.D.ローズベルトの当選を予測(誤差約6.5%),声価を確立した。48年の大統領選挙予測は失敗。しかし,これを契機に,その後最も広く用いられるランダム・サンプリング(無作為抽出)という標本抽出調査法を開発した。彼は〈世論調査〉を企業化し,それを〈民意〉の模造品として各レベルの政策立案・決定過程に,現実に考慮される比重はともかく,不可欠のものとして組み込ませることに成功した。反面,調査〈数量〉の物神化をも加速したといってもよい。ギャラップ調査は各国の調査機関と提携し,世界的に網の目をひろげている。
執筆者:香内 三郎
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…そこで,少しでも正確な予測ができるよう,調査技術を改善するための努力が払われるわけである。この点でギャラップGeorge H.Gallupの功績は大きい。1935年に〈アメリカ世論調査所American Institute of Public Opinion〉を創設したギャラップは,翌36年の大統領選挙の際にわずか2000人を調査しただけでローズベルトFranklin D.Rooseveltの当選を予想し,それまで選挙予想の世界に君臨し,このときも200万余の有権者からアンケートをとってランドンAlfred M.Landonの当選を予想していたリテラリー・ダイジェスト社Literary Digestの予想を破った。…
※「ギャラップ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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