教皇ウルバヌス2世が十字軍発動を宣言した教会会議(1095年11月18~28日)。クレルモンClermontはフランス中部の現クレルモン・フェラン市。フランス王国と近隣諸国の司教約300名および聖俗諸身分の傍聴者数千名が参集した。主要議事は、教会・修道院改革の勧告と「神の平和」運動の促進であった。最終日の前日、教皇は場外の大聴衆に向けて、トルコ人の進出によってエルサレムをはじめ中近東のキリスト教徒が迫害を被っている窮状を訴え、贖罪(しょくざい)のための善業として救援の遠征軍に参加するよう呼びかけた。聴衆は感動して「神の御旨(みむね)だ」と叫び、教皇代理に任命されたル・ピュイ司教アデマールに従う第1回十字軍の4軍団と、隠者ピエールの率いる民間人先発隊の結成に熱烈な反応を示した。この公会議は、最初の十字軍勧説集会であり、修道士ロベールほか数人の年代記作者の筆による当時の記録が後世に伝えられている。
[橋口倫介]
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