クレーニヒ(読み)くれーにひ(英語表記)August Karl Krönig

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレーニヒ」の意味・わかりやすい解説

クレーニヒ
くれーにひ
August Karl Krönig
(1822―1879)

ドイツの物理学者ベルリン王立実業学校の教授を務めた。1851年に発刊された雑誌『諸外国の物理および物理化学』の編集論文などのドイツ語訳紹介にあたり、また1855年からは年報「物理学の進歩」の編集者でもあった。1859年の論文「気体論の基礎」で、気体を完全弾性球の集まりと考え、確率論を適用してボイルゲイ・リュサック法則アボガドロの法則を導くことに成功し、その後のクラウジウス、マクスウェルらによる気体運動論の展開の契機をつくった。

[川合葉子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレーニヒ」の意味・わかりやすい解説

クレーニヒ
Krönig, August Karl

[生]1822.9.20. ウェストファリア,シルデッシェ
[没]1879.6.5. ベルリン
ドイツの物理学者。ボン大学に学ぶ。のち物理学に転じ,1845年ベルリンで学位取得。ベルリン物理学会創設会員 (1845) ,同書記 (48) として機関誌などの編集に活躍。またベルリンの王立工芸学校教授。 56年,気体分子運動論に関する基礎研究を発表,理想気体の諸性質に関する理論的研究の先駆をなした。

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