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クロマグロ規制 クロマグロきせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クロマグロ規制
クロマグロきせい

日本人になじみの深いクロマグロ (ホンマグロ) 漁の自主規制。 1991年 10月,スウェーデン政府が種の保存を名目に,西大西洋のクロマグロの国際取引禁止をワシントン条約の付属書Iに,東大西洋のクロマグロ漁の許可制を付属書 IIに規定するよう提案し,92年3月に開かれた同条約締結国会議で議題に上った。日本,アメリカなどの大西洋マグロ類保存国際委員会 (ICCAT) は,調査の結果,絶滅のおそれはないと撤回を求めていた。結局,漁業国が漁獲量を 91年レベルの 50%に自主規制することで,提案は撤回された。

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知恵蔵の解説

クロマグロ規制

絶滅の危惧(きぐ)があるとして、1990年代以降、クロマグロ(本マグロ)の国際商取引の規制を強化する動きが高まっている。クロマグロは、主に北太平洋・北大西洋の中緯度の海域に分布する回遊魚。スズキ目サバ科に属し、若魚はヨコワの名で知られる。世界の消費量の7~8割を日本が占めている。ただしマグロ全体では、メバチマグロとキハダマグロがほとんどで、高級なクロマグロの国内消費量は数%程度に過ぎない。そのため、規制による直接の影響は小さいと見られている。
大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)の報告書(2008年度)によると、大西洋・地中海産のクロマグロの資源量は推計約7~8万トン。1970年代前半の約30万トンから、4分の1近くまで減っている。これまでICCATはワシントン条約締約国会議の決議等を受け、産卵親魚・小型魚の漁獲禁止、漁獲量規制、畜養の許可制度の設置など、国際取引の監視と長期的な資源回復に取り組んできた。
しかし、自主規制や限定的な措置では絶滅を回避できないとして、2009年10月、モナコがワシントン条約の「国際商取引の全面禁止種リスト」に、同海域のクロマグロを加えるよう提起した。これは、ワシントン条約の3段階の規制の中で最も厳しい項目で、ジャイアントパンダやシーラカンスなどと同種に含められることになる。
翌10年3月、カタールで開催されたワシントン条約締約国会議では、モナコ案に米国とEU諸国が支持を表明し、規制反対の日本は劣勢に立たされた。しかし、水産利権を欧米諸国に囲われることを危惧(きぐ)した北アフリカの漁業国や、マグロ消費量が急増している中国などが日本に同調。規制案は、反対68、賛成20、棄権30の反対多数で否決された。この結果に、米政府は「クロマグロにとっては敗北である」という声明を発表。国際NGO世界自然保護基金(WWF)やグリーンピースも「資源回復よりも経済利益が優先された」などと、強い失望の意を表明している。

(大迫秀樹   フリー編集者 / 2010年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

百科事典マイペディアの解説

クロマグロ規制【クロマグロきせい】

クロマグロ(通称ホンマグロ)は全長3m,体重350kgにもなる大型回遊魚で,全世界の年間漁獲量のうち,過半数が日本で消費されている。日本近海に多いが,赤道を中心に北緯45°〜南緯45°の温暖な海域に広く分布する。
→関連項目ストラドリング・ストックマグロ(鮪)

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