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クロム鋼(読み)クロムこう(英語表記)chromium steel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クロム鋼
クロムこう
chromium steel

普通クロム鋼とは構造用鋼を意味し,高炭素低クロムの軸受鋼および低炭素高クロムのステンレス鋼は除外する。通常は炭素 0.28~0.48%の炭素鋼にクロム 0.8~3%を添加する。クロムは鉄とともに硬い複炭化物をつくるので著しく耐摩耗性を増す。焼入れ性もよく,焼きひずみなくマルテンサイト化するので,工具,ベアリング,類など機械部品につくられるが,粘り強さはやや悪い。別に同じクロム量で炭素量を 0.13~0.23%に減じた低炭素クロム鋼は浸炭による複炭化物の形成で表面硬化性が大きいので,肌焼鋼としてカム軸,歯車,ピンなど小物機械部品に用いられる。クロム鋼の欠点焼戻し脆性で,475℃付近で長時間加熱するか徐冷するともろくなる現象である。それでこの脆化温度域以上に加熱したときは油または水で急冷する。モリブデン 0.15~0.35%の添加はこの欠点を緩和する。

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デジタル大辞泉の解説

クロム‐こう〔‐カウ〕【クロム鋼】

クロムを含む鋼。クロム2パーセント以下のものは工具・歯車・軸受けなどに、12パーセント以上のものはステンレスなどとして用いる。

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大辞林 第三版の解説

クロムこう【クロム鋼】

クロムを含有する合金鋼。耐熱鋼・工具鋼・機械構造用として用いる。12パーセント以上を含むものはステンレス鋼として用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クロム鋼
くろむこう
chromium steel

クロムを含有する鋼。狭義には1%程度のクロムを含有する構造用合金鋼をいい、12%以上を含む高クロム鋼を普通ステンレス鋼、鋼の高温強度を高める目的で数%以下のクロムを添加した鋼を低合金耐熱鋼という。構造用合金鋼は車軸など強靭(きょうじん)性が要求される部材に用いる鋼の総称であり、0.5%以下の炭素を含み、焼入れ後650℃付近で焼き戻して使用される。肉厚になると急冷できず、焼きが入らなくなるのでクロムなどの合金元素が添加される。1%のクロムの添加により、クロム無添加丸棒の約3倍の直径の丸棒を焼入れ硬化させることができる。クロム鋼を焼戻し温度(約650℃)から急冷すると強靭になるが、この温度から徐冷をするときわめてもろくなる。この現象を焼戻し脆性(ぜいせい)という。[須藤 一]

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世界大百科事典内のクロム鋼の言及

【構造用合金鋼】より

…機械構造部品に使用される強度と靱性(じんせい)をそなえた合金鋼。炭素量は0.1~0.5%で,これに少量のクロム(0.9~1.2%)を添加したクロム鋼,クロム(0.5~1.0%)とニッケル(1.0~3.5%)を添加したニッケル・クロム鋼,クロム(0.9~1.2%)とモリブデン(0.15~0.45%)を含むクロム・モリブデン鋼,さらにニッケル(0.4~4.5%),クロム(0.4~1.8%),モリブデン(0.15~0.7%)を含んだニッケル・クロム・モリブデン鋼がある。これらの合金元素はとくに焼入れ性と焼戻し性を調節するために添加される。…

※「クロム鋼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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