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コミスジ Neptis sappho

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コミスジ
Neptis sappho

鱗翅目タテハチョウ科のチョウ。前翅長 27mm内外。体の背面は光沢のある緑色。翅表は黒色で白色帯があり,前翅中室内の白色帯は先端近くで切れ,先端部は三角形となる。後翅には白色帯が2本あり,基部に近いもののほうが幅広い。裏面赤褐色で,白色部は表面より多い。翅を水平に広げて滑るように飛び,翅表の白色帯は前後翅合せて3条の平行線になって見える。成虫は寒地では年1~2回,九州では3~4回出現する。幼虫で越冬する。幼虫はハギ,フジなど多くのマメ科植物の葉を食べる。北海道,本州,四国,九州,朝鮮,台湾からユーラシア大陸に広く分布する。北海道産は亜種 N. s. yessoensis,本州以南のものは亜種 N. s. intermediaという。なお,奄美群島,沖縄諸島,八重山諸島には,翅が広く,裏面が橙褐色の近縁種リュウキュウミスジ N. hylasがいる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コミスジ
こみすじ / 小三条蝶
common glider
[学]Neptis sappho

昆虫綱鱗翅(りんし)目タテハチョウ科に属するチョウ。北海道より九州にわたる各地に普通にみられる。日本産ミスジチョウの仲間ではもっとも普通に産する種で、日本における分布の南限は屋久島(やくしま)。外国では朝鮮半島、中国よりヨーロッパの南東部にかけて分布する。はねの開張は40~55ミリメートル程度。はねの表面は黒色、裏面はチョコレート色で表裏3本の白帯がある。前翅中室の白帯は1本の条により二つに分断される。寒冷地では年1回の発生、九州あたりの暖地では年3回の発生(4~5月、6~7月、8~9月)が普通。幼虫の食草は各種のマメ科植物、ときにクロツバラ(クロウメモドキ科)、ケヤキ、ハルニレ、エノキ(以上ニレ科)、アオギリ(アオギリ科)、ムクゲ(アオイ科)などに幼虫がつくことがある。越冬態は幼虫である。近縁種のリュウキュウミスジ(別名リュウキュウコミスジ)はコミスジによく似ているが、裏面の地色は橙褐色(とうかっしょく)を帯びるので区別できる。奄美(あまみ)諸島およびそれ以南の南西諸島に分布する。[白水 隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のコミスジの言及

【ミスジチョウ(三条蝶)】より

…やや大型のオオミスジN.alwinaは年1回の発生,小さな幼虫が越冬し,ウメ,アンズなどバラ科植物を食べる。やや小型のホシミスジN.pryeri,小型のコミスジN.sapphoは年2~3回発生する。コミスジは各地にもっともふつう,広くマメ科植物を食べ,老熟幼虫で越冬する。…

※「コミスジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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