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ゴム工業 ゴムこうぎょう rubber industry

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ゴム工業
ゴムこうぎょう
rubber industry

天然ゴムおよび合成ゴムを主原料とした製品を生産する工業。ゴムの特性を生かした自動車航空機自転車などのタイヤ,伝導およびコンベヤベルトホースゴム引布防振ゴム,ゴム手袋,医療衛生用品,履物類など,産業の発展に重要な役割を果す製品や日常生活の必需品を製造している。

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百科事典マイペディアの解説

ゴム工業【ゴムこうぎょう】

天然ゴム,合成ゴムを原料に各種ゴム製品を製造する工業。日本では1886年から防水布,パッキン(パッキング)類,ホースがつくられ始め,日清,日露戦争で軍用ゴム製品の需要増大を機に発展,1897年ころからゴム加工メーカー相次いで設立され製品も多様化した。
→関連項目化学工業

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世界大百科事典 第2版の解説

ゴムこうぎょう【ゴム工業】

天然ゴム,および合成ゴムを主原料とし,タイヤ,履物,ベルト,ホースなど各種ゴム製品をつくる産業。1995年の〈工業統計表〉により日本の品目別生産高をみると,自動車用タイヤ・チューブ75%,ベルト,ホースなどの工業製品が19.5%,残りがゴム靴,ゴム引布,医療用などとなっている(新ゴム量ベース)。大企業によるタイヤ生産以外は,基本的に労働集約型産業中小企業で生産されており,発展途上国の追上げに直面している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゴム工業
ごむこうぎょう

ゴムとゴム製品を製造する工業であり、通常はゴム製品製造業(ゴム加工業)をさすことが多い。

沿革

ゴムは常温では弾力に富むが、高温では軟化して粘り、また冷却すると硬化してもろくなる。この物性の安定化のため1839年アメリカの発明家C・グッドイヤーが加硫技術(ゴムに硫黄(いおう)を加える)を開発した。ヨーロッパ人のアメリカ大陸周航以降パラゴムノキの一種(アマゾン原産)がヨーロッパに持ち帰られ、さらに東南アジアに移植・栽培された。ゴムは、当初は字消しゴム(こするという意味の英語rubが、ゴムのrubberの語源となった)や防水布などに用いられたが、1888年にイギリスの獣医・発明家J・B・ダンロップが自転車の空気入りタイヤを発明したことにより、自動車工業の爆発的発展を促すとともに、今日のゴム工業の基礎を確立した。
 日本では、1886年(明治19)に土谷護謨(つちやごむ)製造所が設立され、加硫ゴムの製造に成功し、潜水服、レインコート、ゴム靴などがつくられた。日清(にっしん)戦争、日露戦争による軍用ゴム製品の需要の増大、さらに第一次世界大戦によるドイツ産ゴム製品の供給途絶は、日本のゴム工業発展を加速させ、国産化と自給体制を確立させた。また第二次世界大戦までのゴム工業は戦車、軍用車両、航空機などの部品製造という軍需に支えられて発展した。日本は天然ゴム生産地である東南アジアに近いため、第二次世界大戦前までは天然ゴムが中心であったが、戦後、石油化学工業の成立と自動車工業の急速な発展によって1966年(昭和41)合成ゴムの消費が天然ゴムを凌駕(りょうが)した。[大竹英雄]

ゴム工業の現状

その後も日本のゴム工業は順調に拡大し、2007年(平成19)にはゴム製品の新ゴム(需給統計上、天然ゴムと合成ゴムを合算したもの)消費量が167万7000トンのピークに達した。製品別新ゴム消費量はタイヤ類が最大で1988年に100万トンを超え、2007年には137万トンに達し、新ゴム消費量に占めるタイヤ類の構成比は2002年から80%を超えている。乗用車用タイヤには合成ゴムが使用されるが、トラックや航空機用などの大型タイヤでは天然ゴムへの依存度が高い。タイヤの技術開発では、パンクしても一定距離走れる「ランフラットタイヤ」、石油への依存度を下げるとともに天然ゴムの弱点を改質し克服した「石油外天然資源タイヤ」も開発の流れの一つとなっている。
 ベルト、ホース、防振ゴム、パッキンなど工業用品は、1990年代前半には新ゴム消費量の20%程度を消費したが徐々に減少し、2001年以降は15~16%程度となっている。これらには自動車産業用の部品が多いが、耐油性のほか、ターボチャージャーなどによるエンジンルームの高熱化に対応する耐熱ゴムの需要から、特殊合成ゴムが使用されている。一方、ゴム長靴、地下足袋(じかたび)、ゴム草履(ぞうり)、ゴム底靴などの履き物類の新ゴム消費量は、1968年に6万9000トン(新ゴム消費量に占める構成比13%)となりピークを記録したが、労働集約型の軽工業という特徴から、1960年代以降は労働力確保の容易な韓国、台湾、中国へ移転し、当該国からの輸入増加で国内メーカーは数を減らし、そのゴム消費量は1850トン(2008)へと減少した。その他ゴム製品は工作機械、精密機械、IT(情報技術)業界、建設業界分野などで利用されているが、ダイオキシン問題による食品用塩化ビニルフィルムからの代替需要としてブタジエン樹脂(日本で開発された可塑剤不使用の樹脂。ゴムとプラスチックの性質を有する。略称BDR)にも利用され、ビルや橋梁(きょうりょう)の免震ゴムなど用途は拡大している。しかし、ゴム工業全体では、そのほとんどが自動車産業への供給という形になっており、自動車の販売動向に影響を受けている。
 ゴム製品の輸出は、その7割弱(2008年69.4%、金額ベース)がタイヤ・チューブで、ほとんどが自動車用である。その他の輸出品目はガスケット類(7.6%)、ゴムベルト(5.1%)となっている。ゴム製品の輸出(金額ベース)は、アメリカに輸出額全体の20~25%を、その他中国、アラブ首長国連邦、オーストラリア、ドイツなどにそれぞれ5%前後供給している。なお自動車用タイヤ・チューブ出荷量は2003年から輸出が国内出荷量を上回っており(ゴム量ベース)、2008年は全出荷量の54%(73万トン)が輸出されている。輸入においてもタイヤ・チューブは増え続け、2008年は11万5000トンで生産量に対して8.6%、国内出荷量に対しては19%程度となっている。金額ベースでみたゴム製品の輸入構成比は、タイヤ・チューブが全体の37%、履き物類が12%、ガスケット類10%、運動競技用品6%の順となる。業界構造は、タイヤの場合大メーカーによる寡占状態にあるが、その他のゴム製品は小規模企業による生産であり、工業用ゴム製品は多品種少量生産されている。タイヤ産業は、自動車生産の現地化に伴い、部品メーカー同様に海外に進出してきた。タイヤメーカー大手のブリヂストンも、世界23か国76工場(2008)で生産を行っている。
 ゴム工業はこれまで、ほかの産業同様、製品の高付加価値化やコスト削減、海外展開などで対応してきたが、新興国の経済発展により原油価格が上昇し、同様に天然ゴムの価格も高騰していることから、さらなる価格競争力が求められている。他方重要な問題となっていた大量の廃タイヤのリサイクルは、製紙業での発電や、セメント・製鉄などの製造の際の熱源として6割がリサイクルされ、再生ゴム、更生タイヤ、輸出などを含めると、9割がリサイクルされている。[大竹英雄]
『日本ゴム工業会編『日本ゴム工業史』全3巻(1969~1971・東洋経済新報社) ▽山本鐵太郎編『ゴム年鑑』1999年版(1998・ポスティコーポレーション) ▽山谷隆編『ゴム年鑑』2010年版(2009・ポスティコーポレーション) ▽重化学工業通信社・化学チーム編『日本の石油化学工業』2010年版(2009・重化学工業通信社) ▽化学工業日報社編・刊「2010年版 化学工業白書」(月刊『化学経済』2010年8月号)』

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