サックコート(読み)さっくこーと(英語表記)sack coat

デジタル大辞泉 「サックコート」の意味・読み・例文・類語

サック‐コート(sack coat)

背広上着
幼児用などのゆったりした上着。

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精選版 日本国語大辞典 「サックコート」の意味・読み・例文・類語

サック‐コート

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] sack coat )
  2. 背広。特に、その上着。また、ウエストラインをしぼらない、ずんどう形のゆったりしたジャケット
    1. [初出の実例]「粋(いき)な茶がかった縞のサックコートに雪のやうな真白立襟を着」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉ハイカラ紳士)
  3. 幼児用のゆったりした上着。ベビーサック。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サックコート」の意味・わかりやすい解説

サックコート
さっくこーと
sack coat

アメリカ語で、背広の上着のこと。また、ウエストラインの縫い目のない、丈の短めの、ゆったりした男性用ジャケットのこと。これは1850年代に現れた、黒や灰色無地の上着で、異なった材質ズボンと組み合わせて着用された。初めは室内着であったが、1860年代には街着となった。襟は小さく、胸よりも上にある第一ボタンだけを留めて着る。打合せはシングルで、前身頃(みごろ)の両角は丸く、襟と身頃にブレードの縁どりが施されている。1890年代には、黒のドレス・サックコートが流行した。黒のベストと黒か灰色の縞(しま)のズボンを組み合わせたこのスタイルは、第二次世界大戦まで街着として普及していた。日本では、幼児が服の上に羽織る、ゆったりした外衣、上っ張りをいう。

[田村芳子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サックコート」の意味・わかりやすい解説

サックコート
sack coat

ゆるみが多くウエストに絞りのない上着。日本で男性が通常着用している背広服の上着のアメリカでの呼称である。また乳幼児の着るゆったりした丈の短い上衣をいうこともある。 1850年頃スポーツ服にそのシルエットが取入れられたのが最初

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世界大百科事典(旧版)内のサックコートの言及

【ジャケット】より

…起源は中世のイギリスで広く用いられた,皮革と金属を要所につけて防護性を強めたウエスト丈の上着のジャックjack(jaque),あるいは16世紀に着用された,袖なしで肩におおい(ウィングズwings)がつくジャーキンjerkinとされている。しかし今日的な意味と形態でのジャケットが成立するのは19世紀で,イギリスでラウンジ・ジャケットlounge jacket,アメリカでサック・コートsack coatと呼ばれる背広型の上着が完成してからのことである。20世紀に入ると,成立当時の古典的な形態をとどめたものはモーニングコートのように礼服として定着し,より簡略になったものはオッド・ジャケットodd jacket(替え上着),スポーツ・ジャケットなど気軽な衣服として発達した。…

※「サックコート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」