サヤン山地(読み)サヤンさんち(英語表記)Sayany

改訂新版 世界大百科事典 「サヤン山地」の意味・わかりやすい解説

サヤン山地 (サヤンさんち)
Sayany

ロシア連邦東シベリア南部の山地アルタイ山脈の東方からバイカル湖西岸近くまでつづき,東西1500km,南北500kmにおよぶ。ロシアのクラスノヤルスク地方,イルクーツク州,トゥバ共和国およびブリヤート共和国にまたがる。山地は多数の雁行する山脈断層盆地などに分かれ,その間を地形の弱線に沿ってエニセイ川上流部支流などが深い谷を刻んで流れ,ミヌシンスク盆地,トゥバ盆地(中心都市キジル,チャダン)がある。多数の山脈のうち,脊稜となるものは西サヤン,東サヤンの両山脈である。西サヤン山脈はエニセイ川上流支流のアバカン川源流付近から東北東に約650kmの所で東サヤン山脈中央部に接続する。その中央部を南から北へエニセイ川上流が深く横切って流れる。東サヤン山脈はクラスノヤルスクの南西部にはじまり,東南東に約1100km走ってバイカル湖西岸付近に至る。支脈のボリショイ・サヤンは南を走ってロシアとモンゴル国境を形づくるが,ここにサヤン山地最高峰ムンク・サルディク山(3491m)がそびえる。サヤン山地の北部は標高数百mの丘陵や低い山地からなるが,南に下ると高度を増す。気候は激しい大陸性気候で,山間盆地では月平均気温は1月に-30℃近くに下り,7月には20℃となる。標高1600~2100mまで針葉樹タイガがあり,その上は西部を除いて植生を欠き,山地ツンドラとなる。山間盆地は雨が少なく,ステップが広がる。サヤン山地は未開発であるが,鉱産および電源地帯として開発が期待される。
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百科事典マイペディア 「サヤン山地」の意味・わかりやすい解説

サヤン山地【サヤンさんち】

ロシア,南シベリアの山脈。ほぼT字形に交差する東西2山脈からなる。西脈は延長約650km,テレツコエ湖から北東に走り,東脈に突き当たる。東脈は延長約1000km,エニセイ川左岸から南東に走り,モンゴルとの国境に達する。最高峰は東脈のムンク・サルディク山(3491m)。
→関連項目中央アジアロシア

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