サンドボックス制度(読み)さんどぼっくすせいど(英語表記)regulatory sandbox system

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

サンドボックス制度
さんどぼっくすせいど
regulatory sandbox system

ドローンや自動走行などの革新的技術・サービスを事業化する目的で、地域限定や期間限定で現行法の規制を一時的に停止する制度。サンドボックスsandboxは英語で砂場を意味し、子供が小さな失敗をものともせずに自由に砂遊びするように、企業が制約にとらわれずに革新的技術の事業化に向けて試行錯誤できるところから命名された。「日本版レギュラトリー・サンドボックス」「規制の砂場」ともよばれる。ドローン、自動走行、フィンテック、人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)、ロボットなど既存の法律では想定していない革新的技術が相次いで誕生しているが、その実用化には既存の法律や規制が足かせになるケースが多いことから、安全な実証環境を提供して技術革新の加速をうながすねらいがある。
 イギリスで2014年にフィンテックの技術革新を目的に初めて導入され、シンガポールなどがそれに続いた。日本では安倍晋三(あべしんぞう)政権が成長戦略の一環として、2017年に国家戦略特区法や構造改革特区法を改正し2018年度から導入する。サンドボックス制度では、まず民間企業は革新的技術・サービスの事業化計画を所管省庁へ届け出る。認可を受けると、民間企業は各業法で定められた手続きや規格を満たさなくても実証実験を行うことができ、政府はその成果を基に、規制緩和を実施する。サンドボックス制度は特区指定よりも手続きが簡単なため、企業は迅速に実証実験を進められる利点があるが、実証実験中の安全性確保や、消費者などに損害を与えた場合の補償の仕組みなどについては課題もある。[矢野 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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