シミュレーションゲーム(その他表記)simulation game

デジタル大辞泉 「シミュレーションゲーム」の意味・読み・例文・類語

シミュレーション‐ゲーム(simulation game)

戦争スポーツ、またビジネスや人生の進路選択などを素材にして、実際と同じような状況を設定し、その場その場の判断によって展開が変動するゲームボード(盤)やコンピューターを使うものが多い。

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精選版 日本国語大辞典 「シミュレーションゲーム」の意味・読み・例文・類語

シミュレーション‐ゲーム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] simulation game ) 模擬実験ゲーム。現実に起こっている、また起こりうる事象や歴史上また空想上の戦争、紛争などにさまざまな状況を想定し、確率論考え方をとり入れて勝敗をあらそうゲーム。さいころ、あるいはコンピュータを使う。

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改訂新版 世界大百科事典 「シミュレーションゲーム」の意味・わかりやすい解説

シミュレーションゲーム
simulation game

ゲーミングともいう。教育・訓練や理論的研究のため,あるいは娯楽のために,現実に起こっている事象や起こりうる事象を模型(モデル)化したもので,それがゲーム形式になっているものをいう。ここでいうゲームとは,複数の参加者が,一定のルールのもとに,得点あるいは勝利をめざして競争あるいは協力する活動をいう。教育・訓練目的で実際に有効に,また最も頻繁に利用されているものに,ビジネスゲームと兵棋ウォーゲーム)がある。本項では以下でおもにビジネスゲームについて述べる。

ビジネスゲームは企業経営を模型化したもので,マネジメントゲームともいわれる。ビジネスゲームは,19世紀のプロイセンに生まれ,大規模作戦(実戦もしくは演習)における将校の平時からの訓練に用いられた兵棋に源を発する。参謀(スタッフ)の強化,権限委譲,環境への適応に必要な新しいスキル訓練を狙いとした兵棋は1950年代の初期に姿・形を変えて企業経営に積極的に応用されることとなった。ビジネスゲームには,(1)手法体得のためのもの(たとえば企業会計の演習),(2)職能ゲーム(生産計画ゲーム,日程管理ゲーム,マーケティングのゲームなど),(3)企業間競争のゲーム,(4)社会的なゲーム(公害防止や裁判の入ったゲーム)などさまざまのゲームがある。代表的な競争ゲームでは次のように参加者がいくつかのチームに分かれて競争する。ある種の製品の製造販売を行う市場に,通常4ないし8のチームが参入して競争する。5~10人から構成されるチームの中では社長を決め,各人が経営機能(営業,生産,経理,財務,企画など)を分担して仕事をすすめる。各チームはあらかじめ決められた記入用紙にマーケティングの計画,人事,財務,生産などの意思決定の結果を記入し,審判に提出する。審判は各チームの市場における競争力を所定の判定式に入れて判断し,乱数表なども用いて各チームの販売量を決めて回答する。各チームはそれにもとづき,利益を計算し,各種の財務諸表を作成の後,次期の意思決定に入る。こうした意思決定の繰返しが訓練の行われる期間続くのである。

 ビジネスゲームは機能的にみると,経営戦略を立案したり,経営手法を体得する場であるということができる。同時に組織活動,人間関係などの生ずる場である。企業の有能な管理者がより有効に管理能力を行使できることにもなる。最近では,ビジネスゲームは自己啓発を目的とした訓練のほかに,人的能力の事前評価(ヒューマンアセスメント)など経営に密着して使われることも多い。それはビジネスゲームが具備している多面的な効能を前向きに利用したものであるといえる。

 なお近年,シミュレーションゲームは上述の分野以外でも広く教育・訓練のために使われる傾向にあり,また,予測的なモデルのもとでシミュレーションゲームを作り,参加者の意思決定過程をシミュレートし,法則性を求めていくなどの研究目的でも使用されている。また,娯楽用としても投資を競う〈モノポリ〉や戦闘をシミュレートしたウォーゲームなど多数ある。ゲームの参加者の一部や判定者の役割をコンピューターで行わせることも多くなっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シミュレーションゲーム」の意味・わかりやすい解説

シミュレーション・ゲーム
しみゅれーしょんげーむ
simulation game

ゲームのジャンル分けの一つで、現実の世界を模した部分がゲームに組み込まれているもの。略してSLGともいう。囲碁、将棋、オセロゲームなど、抽象性の高い盤・駒などを使用するアブストラクト・ゲームに対する語で、元来は、1960年代にアメリカで兵棋演習を模してつくられたシミュレーション・ウォーゲームwargameに対して用いられた。ゲーム理論からいえば盤・駒の非対称性を確立したことにより、戦史の追体験を可能にし、一時ブームを招いた。コンピュータ・ゲームにおいても初期には戦争をテーマにしたものをいったが、現在では戦争ものに限らず、戦国時代の全国制覇を再現したものや、プロ野球球団を経営するものなど、また飛行機の操縦や電車の運転を体験するものなどの現実の世界を模したゲームに対して広く用いられている。

[鈴木銀一郎]

『新井潔・ゲーム研究会編著『シミュレーションゲーム進化論』(1992・光栄)』『多摩豊著『SLG(シミュレーションゲーム)解体新書』(1993・光栄)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シミュレーションゲーム」の意味・わかりやすい解説

シミュレーションゲーム

コンピュータ・ゲームボードゲームで,現実の機器や場面のシミュレーションを行なうゲーム。戦争の戦略や企業経営に題材をとったものが多い。コンピュータ・ゲームでは航空機や鉄道車両の操縦を体験できるものの人気が高く,飛行機の操縦席からの景観がアニメーションで現れ操縦を再現できるフライトシミュレーションが代表格。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「シミュレーションゲーム」の解説

シミュレーションゲーム

パソコンや家庭用ゲーム機で、現実の一場面をCGなどを使って仮想的に再現し、体験したりコントロールしたりして楽しむゲーム。電車や自動車、飛行機の運転、歴史上の戦争、都市計画などいろいろな場面を再現したゲームがある。

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世界大百科事典(旧版)内のシミュレーションゲームの言及

【家庭用ゲーム機】より


[家庭用ゲーム機のゲーム]
 家庭用ゲーム機のゲームにはさまざまな形態のものがある。大きく分けると,アクションゲーム,ロールプレイイングゲーム,シミュレーションゲーム,アドベンチャーゲーム,パズルゲーム,人工知能型ゲームなどに分類できるが,近年はそれらが複雑に融合したものも多い。ゲームが複雑になるにつれゲーム制作者が意図しなかった操作法や操作の複雑な組合せにより意図しなかった結果が得られることも多くなり,〈裏技〉と呼ばれるようになった。…

※「シミュレーションゲーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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