日本の代表的英字日刊紙。1897年3月22日,山田季治(すえじ)社長,頭本元貞(ずもともとさだ)主筆が,伊藤博文,福沢諭吉の後援をうけ三井,三菱,日本銀行,横浜正金銀行,日本郵船など財界の出資を得て創刊した日刊紙で,日本人の経営,編集になる初の英字新聞。日本の経済,文化全般を海外に紹介し,対外啓発につとめるのが創刊の目的であった。1905年5月15日,夕刊にきりかえ,18年《ジャパン・メール》を合併して《ジャパン・タイムズ・アンド・メール》と改題,40年10月には朝刊の《ジャパン・アドバタイザー》と合併して《ジャパン・タイムズ・アンド・アドバタイザー》と改題,朝夕刊を発行したが,44年3月6日,夕刊を休止,今日に至る。第2次世界大戦時は1943年1月から《ニッポン・タイムズ》と改題させられたが,56年現題号に復題した。戦前は馬場恒吾,芝染太郎,芝均平,田中都吉,芦田均らが筆を振るった。戦後は日本の事情を海外に知らせ相互理解を深めるために大きな役割を果たしている。57年から発行している《日刊空輸版The Japan Times Daily Airmail Edition》は,海外100ヵ国以上に送られている。なお,1865年(慶応1)9月に同名の《Japan Times》が創刊されているが,これは《Japan Commercial News》(1863-65。翻訳発行されて《横浜新聞》《日本貿易新聞》などと呼ばれた)の印刷設備を,イギリス人リッカービーCharles Rickerbyが譲り受けて発行した,まったく別のものである。
執筆者:春原 昭彦
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日本人の手によって1897年(明治30)3月22日創刊された、日本最古の日刊英字新聞(朝刊)。1918年(大正7)『ジャパンタイムズ・アンド・メール』、1940年(昭和15)『ジャパンタイムズ・アンド・アドバタイザー』と改題。さらに第二次世界大戦中、軍部の排外主義の圧迫により1943年1月1日『ニッポンタイムス』と改称したが、戦後、1956年(昭和31)7月1日に現題号に復した。同紙を発行するジヤパンタイムズ(東京)は1996年(平成8)、工業用ファスナーなどのエンジニアリングプラスティック製品を製造するニフコの傘下に入った。近年発行部数の落ち込みが激しく、1990年代に6万部以上あった部数は、2010年(平成22)には約2万8000部となった。2013年3月、ニューヨーク・タイムズ社と業務提携し、同社発行の『インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ』の紙面とセットにした2部構成の新聞にリニューアル、同年10月より発行を開始した。発行部数は約4万5000部(2013)。
[高須正郎・伊藤高史]
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…同時にこれは日本での最初の新聞でもあった。その後,横浜,神戸,東京などで次々と英字新聞が発刊されたが,これらはいずれも外国人によるもので,97年3月になって頭本(ずもと)元貞が伊藤博文の支援のもとに日本人による最初の英字紙《ジャパン・タイムズThe Japan Times》を発刊した。第2次大戦中は政府によって同紙1紙に統合されたが,戦後大手全国紙も英字紙を発行するようになった。…
…同時にこれは日本での最初の新聞でもあった。その後,横浜,神戸,東京などで次々と英字新聞が発刊されたが,これらはいずれも外国人によるもので,97年3月になって頭本(ずもと)元貞が伊藤博文の支援のもとに日本人による最初の英字紙《ジャパン・タイムズThe Japan Times》を発刊した。第2次大戦中は政府によって同紙1紙に統合されたが,戦後大手全国紙も英字紙を発行するようになった。…
※「ジャパンタイムズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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