スカンジナビア航空(読み)すかんじなびあこうくう(英語表記)Scandinavian Airlines System

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スカンジナビア航空」の意味・わかりやすい解説

スカンジナビア航空
すかんじなびあこうくう
Scandinavian Airlines System

北欧三国の共同経営による航空会社。略称SAS(サス)。本社はスウェーデンストックホルム。1946年、スウェーデン(SILA)、ノルウェー(DNL)、デンマークDDL)のスカンジナビア三国の国営航空会社の海外部門を統合して成立した。株式比率はスウェーデン7分の3、ノルウェー、デンマークそれぞれ7分の2の割合で、各国の内部では政府と民間が50%ずつ出資している(現在の協定の有効期限は2020年まで)。1950年機構改革で組織の強化を図る。1954年11月15日、世界最初の北極圏ルートを開設して、ヨーロッパとアメリカ西部海岸とを連絡。1959年にはタイ政府によって設立されたタイ航空Thai Airwaysに30%出資協力をして、タイ国際航空Thai Airways International Public Co.を誕生させた。また1965年にはヨーロッパ路線に世界初の電子予約システムを導入。1967年にはコペンハーゲン東南アジアを結ぶアジアルートを開いたが、これは当時ヨーロッパ、アジア間の最短ルートであった。日本への乗り入れは南回りで1951年(昭和26)から行っていたが、1957年には北極圏ルートを開設。また1987年には東京―コペンハーゲン間に10時間半のノンストップ便を就航させた。1997年以来スターアライアンスに加盟している。2009年には年間2140万人の搭乗者を30か国以上の100都市へ運んだ。2009年の営業収入は397億スウェーデン・クローナ。保有航空機は148機。従業員数約1万4000人。

[湯沢 威・田村隆司]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スカンジナビア航空」の意味・わかりやすい解説

スカンジナビア航空
スカンジナビアこうくう
Scandinavian Airlines System; SAS

北欧 3国の共同出資による多国籍航空会社。1946年スウェーデンの Svensk Interkontinental Lufttrafik AB,デンマークの Det Danske Luftfartselskab,ノルウェーの Den Norske Luftfartselskapが合同して設立。3国の政府が合わせて 50%の株式を保有,残り 50%は一般株式市場で取り引きされている。本社はスウェーデンのストックホルム。第2次世界大戦後は初の大西洋横断路線を開設,1952年には北極圏を通過する航空路線を開拓して 1954年からコペンハーゲンロサンゼルス間に定期便を開設した。スカンジナビア半島,ヨーロッパを中心に,日本を含む世界各地に定期路線網をもつ。ほかに貨物航空や地域航空をはじめ,ホテル,機内食事業,レストラン,旅行代理店などの子会社がある。ストックホルムとオスロの両空港をハブ空港として,2011年初の時点で約 130機の旅客機運航,世界 100ヵ所以上の都市へ乗り入れている。

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