スグキナ(その他表記)Brassica campestris L.var.neosuguki

改訂新版 世界大百科事典 「スグキナ」の意味・わかりやすい解説

スグキナ (酢(酸)茎菜)
Brassica campestris L.var.neosuguki

アブラナ科二年草漬物にすると独特の酸味があるところから,スイグキナともいい,また地名からカモナ(賀茂菜)ともいわれる。葉には毛がなく,へら形で,葉縁の欠刻程度は多様である。根は倒円錐状に肥大する。京都の特産で京都付近での栽培が多いが,最近では丹波地方でも作られるようになった。来歴は明らかではないが,江戸時代の文献に記載のあるところから,300年前後の栽培歴のあることが認められている。種としてはカブ・アブラナ類のもので,古い原種は絶滅し,現在栽培されているものは明治後期に,原種系と聖護院カブおよびナタネを交雑したものに由来している。秋に栽培され,根も葉も漬物用にするが,乳酸発酵をさせた独特の味が京都特産の〈すぐき〉として珍重される。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スグキナ」の意味・わかりやすい解説

スグキナ
すぐきな / 酸茎菜
[学] Brassica rapa L. var. neosuguki Kitam.

アブラナ科(APG分類:アブラナ科)の二年草。カブの変種で、京都市の特産とされ、上賀茂(かみがも)を中心として栽培される。300年以上の歴史をもつ品種であるが、その来歴には諸説があり、現在のものはスグキナの昔のタイプのものが、カブの品種である聖護院(しょうごいん)カブと交雑してできたものであるともいわれる。ビワ葉形とキク葉形とがあり、根は短い倒円錐(えんすい)形で長さ17~20センチメートルとなる。8月下旬から9月上旬に種を播(ま)き、11月から12月にかけて収穫する。根と葉を漬物にしたものは、すぐき漬けとして知られる。

[星川清親 2020年11月13日]

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百科事典マイペディア 「スグキナ」の意味・わかりやすい解説

スグキナ

京都上賀茂地方原産のアブラナ科の野菜で,カブの一種。根は紡錘形で,葉は大きい。発生当時の原種は絶滅し,現在のスグキナは,カブ(聖護院)やナタネと原種が交雑し,固定したものといわれている。茎,葉を酢茎とする。

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栄養・生化学辞典 「スグキナ」の解説

スグキナ

 [Brassica nipposinica var. sugukina],[B. rapa var. neosuguki],[B. campestris (rapifera group)].フウチョウソウ目アブラナ科アブラナ属の二年草.食用にする.

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