スポーツクライミング(読み)すぽーつくらいみんぐ(英語表記)Sport Climbing

知恵蔵miniの解説

スポーツクライミング

安全確保のため以外には道具を用いず、自分の手足の力だけで突起物が設置された人工壁や自然壁を登る競技。「フリークライミング(自由登攀)」とも呼ばれる。決められたルートや課題をルールに従って登るもので、ロープを使わず達成したコースの数を競う「ボルダリング」、ロープを使って到達点の高さを競う「リード」、ロープを使ってタイムを競う「スピード」の3種目がある。ワールドカップでは個別種目として扱われているが、世界選手権では3種目合計で争う複合部門も設けられている。2015年現在、20年に開催される東京五輪の追加種目として国際オリンピック委員会に提案されることが決定している。

(2015-10-1)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

知恵蔵の解説

スポーツクライミング

突起物のついた人口壁を登るスポーツ。到達地点を争うリード、難易度を重視するボルダリング、速度を競うスピードの3種目がある。2016年8月3日にリオ・デ・ジャネイロで開催された国際オリンピック委員会(IOC)第129次総会において、20年に行われる東京オリンピック大会での追加競技となることが決定した。なおIOCに提案されたスポーツクライミングは、通常単種目として行われているリード、ボルダリング、スピードを全て行い、これら3種目の合計点で順位がつけられるものとなっている。
リードは12メートル以上の高さの壁を制限時間内にどこまで登ったか、どこで落ちたかを争う種目。ロープをルートの途中にあるクイックドローと呼ばれる引っかかりに掛けて、安全を確保しながら登っていく。スタートからゴールまで壁に固定されているいくつものホールド(人工石の突起物)に番号がつけられており、多くの番号のホールドに到達できた者を上位とする。安易にゴールに到達してしまうと競技にならないため、最後まで登りきるのが難しいルートが設定されている。
ボルダリングは5メートル以下の高さの壁に固定されているホールドに手や足を掛けて、ロープを使わずによじ登っていく種目。複数の課題(コース)が設定されており、制限時間内にいかに少ない回数でいくつの課題を完登できるかを争う。完登数が同じ場合は、それに要した回数の少ないものを上位とする。
スピードは15メートルの壁をいかに速くゴールまで登り切ることができるかを競う種目。壁、ホールド、ルートが共通の条件のもと、2人が同時にスタートする形がとられる。トップレベルの選手は、男子は5秒台、女子は7秒台で駆け登るスプリント種目である。
スポーツクライミングにおける日本人の成績は、14年、15年、16年と3年続けてボルダリングで国別ランキング1位となり、ワールドカップ個人年間ランキングでは、男子リードで3回、ボルダリングで1回、女子ボルダリングで4回1位を獲得している。16年のワールドカップボルダリング種目で年間1位を獲得した楢崎智亜は、16年9月にパリで行われた世界選手権男子ボルダリングで優勝を成し遂げた。世界選手権で日本人選手が優勝したのは初めてのことである。

(場野守泰 ライター/2016年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

スポーツクライミング

ロープを使わず設定された複数のコースを時間内でいくつ登り切れたかを競う「ボルダリング」、ロープをつけて制限時間内に登った高さを競う「リード」、登る速さを競う「スピード」の3種目で構成されている。

(2017-11-02 朝日新聞 朝刊 栃木全県・2地方)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スポーツクライミング
すぽーつくらいみんぐ
sport climbing

登山のロック・クライミング(岩壁登攀(とうはん))で使われる登攀技術をもとにした競技の総称。国際競技大会における種目には、(1)リード競技、(2)ボルダリング競技、(3)スピード競技があり、クライミングウォール(人工壁)、クライミングホールド(ホールド)、確保器、ハーネス、ロープ、カラビナ、クイックドロー(両端にカラビナのついた短いロープ)などの設備や用具を使い、登攀技術を競う。国際統括団体は国際スポーツクライミング連盟International Federation of Sport Climbing(IFSC)で、日本では公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会が統括する。IFSC公認の国際大会としては、ワールドカップ・シリーズ、世界選手権、世界ユース選手権が行われている。日本では、2008年(平成20)から国民体育大会(国体)の山岳競技として、ボルダリング競技が正式種目に加わった。国体の競技は、2人で1チームを編成し、リードとボルダリングの2種目でチームどうしが競う複合競技として行われている。日本ではスピード種目は普及していない。
 このような競技のほか、趣味として楽しむ運動に、人工の壁や岩を登るインドアクライミングやウォールクライミングがあり、これもスポーツクライミングとよぶことがある。[編集部]

リード競技lead climbing

リード専用に設計された高さ12メートル以上のオーバーハングの人工壁を利用し、クライマーは壁面の確保支点にロープをかけて安全を確保しながら、最高到達点を目ざして登る。選手は2人1組となり、1人はクライマーで、もう1人が地面でロープを確保する。クライマーが登攀ルートに沿って制限時間内に登った最高到達点によって順位が決定される。[編集部]

ボルダリング競技bouldering

高さ5メートルほどのボルダリング専用の人工壁にホールドとよばれる突起がつけられており、選手はロープを使用せず、ホールドを手がかりや足がかりとしながら、制限時間内に登る。一つの壁にはボルダーとよばれる複数のルート(課題)が設定されており、時間内に完登(かんとう)したボルダーの数や、ホールドごとに設けられたボーナスポイントの獲得点数などによって順位が決定される。[編集部]

スピード競技speed climbing

最上部からロープを垂らしたトップロープの状態の人工壁で行われる競技で、クライマーはトップロープによって安全が確保された状態で登る。予選は完登所要時間によって成績が決定され、上位16名が決勝ラウンドへ進出。決勝ラウンドは二人が同時に登り、先に到達したほうが勝者となり、最後まで勝ち残った二人で決勝を行う。人工壁には高さ10メートル競技用と15メートル競技用の2種類がある。[編集部]

その後の動き

2020年開催予定のオリンピック東京大会では、開催都市が実施を提案する追加種目5競技18種目の1競技として、スポーツクライミングが初めて採用された。種目はリード、ボルダリング、スピードの複合種目で男女の2種目。会場は東京・お台場(江東(こうとう)区)に仮設競技場を建設する予定である。また、スポーツクライミングが追加種目に決定したことを受け、国内統括団体の日本山岳協会は、2017年4月に協会の名称を、日本山岳・スポーツクライミング協会に改称した。
 2016年(平成28)9月時点で、国内の愛好者はおよそ50万人、競技登録者は1万人で、全国にクライミングジムが300か所以上ある。2014、2015年に、野口啓代(のぐちあきよ)(1989― )がワールドカップのボルダリング種目で、総合優勝。リード種目では、小林由佳(こばやしゆか)(1987― )が2014年の年間総合8位につけ、楢崎智亜(ならさきともあ)(1996― )が2016年世界選手権ボルダリング男子種目で優勝しており、オリンピック東京大会での活躍が期待されている。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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