翻訳|slime
粒径数十μm以下というような微細な固体粒子が液中に懸濁しているもの,すなわち固体微粒子の懸濁液。スラリーslurryとほぼ同義。懸濁媒体となる液体としては水が最も一般的である。この用語は,鉱業をはじめ,化学工業,製薬業などの分野で広く用いられている。鉱山において採掘された鉱石の中には,採掘,運搬などの工程において自然に発生した微粒子が含まれており,これらはしばしば水洗などの前処理工程において粗粒子群から分離される。このような微粒子(ふつう74μm以下を指すことが多い)は一次スライムと呼ばれ,後の粉砕工程において新たに生成されたスライムから区別されることがある。
執筆者:井上 外志雄 金属を電解精製する際には,陽極金属中に含まれる不純物などが,電解液に溶けずに微粒子状態で陽極表面に泥状に残ったり,電解槽の底にたまる。これを電解スライム(陽極泥)という。たとえば,銅の電解精製の際には,粗銅中の金,銀,鉛,セレン,テルルなどはこのスライム中に濃縮されるので,副産物として回収される。電解の際に,銅よりイオン化傾向の大きな不純物は溶けて電解液中に入るが,イオン化傾向の小さな不純物は溶けずに陽極表面に残る。これが電解液中に浮遊すると,陰極の銅を汚染する原因となり,また陽極表面に緻密(ちみつ)に生成されると,陽極不働態の原因ともなる。
執筆者:後藤 佐吉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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