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へどろ へどろ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

へどろ
へどろ

河口,湖沼,湾などの底に堆積した有機物を含む汚泥。灰泥 (はいどろ) ,維泥 (いどろ) のなまった言葉ともいわれ,産業廃棄物などが水底にたまって粘っこい泥状になったものをさす。 1970年静岡県富士市田子ノ浦で,紙・パルプ工場から放流された未処理の廃水によってできたへどろが港を埋め,大型船の入港ができなくなり,硫化水素を発生して住民の健康を脅かす公害問題を起し,水質汚濁防止法制定の契機の一つとなった。

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デジタル大辞泉の解説

へどろ

河口・海岸・沼などの底に堆積(たいせき)してできた柔らかな泥。特に、産業廃棄物や有機物などが堆積したもの。

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百科事典マイペディアの解説

へどろ

流れのゆるやかな河川,港湾,運河,湖沼,ダムなどの水底に堆積(たいせき)している柔らかい汚泥。原因は工場排水,鉱山排水,農業排水自然現象などによるが,工場排水によるものは有害物質を含んでいる可能性がある点でとくに重要。

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世界大百科事典 第2版の解説

へどろ

港湾,河口,湖沼などの水域に堆積した泥状物質。語源は明らかでないが,名古屋地方の方言では海底の黒色汚泥をいい,また神奈川県津久井郡や奈良県宇陀郡の方言では泥や泥濘(でいねい)を指している。へどろは,周辺から流入する生活排水臨海工業地帯からの排水が停滞しがちな水理条件下で,それらの排水中の懸濁物質や有害物質が凝集して沈殿堆積することで生成する。へどろが公害問題として注目されたのは,昭和40年代の田子ノ浦港のパルプ工場排水によるへどろ堆積と硫化水素などの発生による悪臭が始まりである。

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大辞林 第三版の解説

へどろ

流れの緩やかな河口・沼・湾などの底に堆積した泥上の物質。
工場廃水や産業廃棄物などの汚染物質を含む泥。汚泥。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

へどろ
へどろ

河川・湖沼や、港湾・海域などの底層に浮遊・堆積(たいせき)した微細粒子群のこと。土木工事関係者が、その取り扱いにくさ、異臭などによる不快さを嘆き、「へど」と「泥」から造語した俗語で、そうした性状を有するもの。1960年代後半、静岡県田子ノ浦港が周辺パルプ工場から排出された製紙かすと廃液で埋まり、大型船舶の航行が制限されて社会的に大きな関心をよび、「へどろ公害」とよばれたことから、このことばが広まり、環境汚染と関連して広く使われるようになった。
 へどろは人間活動あるいは自然に由来し、有機性のもの、無機性のものに大別される。生活排水や工場排水に由来する有機物や有害物を多く含むものがしばしば問題とされ、有機物の場合、分解されるとまず水中の溶存酸素が消費され、嫌気性分解が進むと有毒ガスが発生して、どちらの場合も水生生物の生息を妨げる。また窒素やリンを放出して藻類を異常発生させ、富栄養化を引き起こす。有害物には水銀、カドミウム、鉛などの重金属類やPCB、農薬、ダイオキシン類などの有機物があり、水系を汚染するとともに、食物連鎖のなかで生物濃縮されて魚介類の汚染を引き起こす。一方、河川水中の微粒子は河口で海水と接すると凝集沈降するが、この際に、へどろ状を呈することが少なくない。
 へどろ対策には、流入汚濁負荷の軽減、浄化用水の導入、へどろの浚渫(しゅんせつ)などがある。浚渫されたへどろは、そのまま、あるいは凝集剤やセメントなどを添加し固化・安定化して投棄・処分するが、その際、二次汚染の防止に十分な注意が必要である。[高橋敬雄]

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世界大百科事典内のへどろの言及

【汚泥】より

…また港湾,湖沼,河川,ダムなどの堆積汚泥は,公共水域に排出した都市下水,工場排水などに含まれている浮遊物質や,市街地道路から雨水とともに流出してきたり,森林,田畑から流出してきた浮遊物質などが沈殿して生成される場合と,水中のプランクトンが死滅沈降して堆積して生ずる場合などがある。 このように汚泥はさまざまな分野,過程から発生し,したがってその性状も,電解苛性ソーダ工業,めっき工業などから発生する有害物質を含む汚泥,下水道,屎尿処理施設,浄化槽,製紙パルプ業,食品工業などから発生する有機汚泥,窯業,金属工業,鉱山から発生する無機性汚泥,石油関連業から発生する含油汚泥,港湾,湖沼,河川などに堆積する有機無機混合汚泥(いわゆるへどろ)など多岐にわたる。 〈廃棄物の処理及び清掃に関する法律〉(略称〈廃棄物処理法〉)では,これらの汚泥を事業活動に伴って発生する産業廃棄物としての汚泥と,屎尿浄化槽汚泥などの日常生活に伴って生ずる一般廃棄物としての汚泥に分類している。…

【紙・パルプ工業】より

…また,紙・パルプ工業は原料輸送と用水の面で集中立地する傾向があり,静岡県富士市地区,愛媛県伊予三島・川之江地区などではこれにより被害はいっそう深刻となり,70年前後には一大社会問題となった。とくに富士市では,県の行政指導が廃水処理を各工場に要求しないというものであったため,月量200万tの各種廃水が無処理で田子ノ浦港に流入し,日量3000tのへどろが港内に沈積した。このため,68年から港内の浚渫(しゆんせつ)が行われへどろの沖合投棄が行われたが,駿河湾特産のサクラエビをはじめとする沿岸漁業の被害が大きく,漁民の抗議で70年4月から浚渫は中止された。…

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