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ソネット集 ソネットしゅうSonnets

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ソネット集
ソネットしゅう
Sonnets

イギリスの劇作家,詩人シェークスピアの 14行詩集。 154編より成る。 1609年刊。その大部分は 1593~98年に書かれたと考えられるが,詩人,貴公子,「ダーク・レディー」をめぐる生々しい人間ドラマを,万物流転の様相のなかに描き出しており,内容表現ともにイギリス文学史を通じて最高のソネット集といわれる。3つの部分から成り,主要部 (1~126番) はパトロンである美貌の貴公子にあてたもの。まず彼の美貌をたたえ,その美を永遠に残すために結婚して子をもうけよとすすめ,続いて別離のつらさ,詩人の恋人を盗んだ貴公子への怨言,ライバル詩人の介入への嫉妬,憂悶,絶交状態,友情の回復と愛の勝利を歌う。第2部 (127~152番) は黒い髪,黒い目のダーク・レディーに関するもので,彼女への賛美を連ねながらもライバルの存在をほのめかし,女の不実を詰責し,業のごとき肉欲を呪った「毒舌の」ソネットも含まれる。第3部 (153,154番) はキューピッドを詠んだもので,本編とは直接の関係をもたない。シェークスピアの生涯を探る鍵とされながら不明の点が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ソネット集
そねっとしゅう
The Sonnets

イギリスの劇作家シェークスピアの詩集。一部は1599年に公刊されているが、全編が刊行されたのは1609年。154編のソネット(定型詩の代表的な詩型で14行詩ともいう)よりなる。最後の2編は全体の構成から外れており、作者についても疑問がある。詩人が敬愛する青年貴族を賛美し、早く結婚してその美質を子孫に伝えるよう勧めるのが全編の骨子であるが、そのなかに、青年貴族が詩人のライバル詩人に寵愛(ちょうあい)を移したことの嘆きや、詩人の愛する「黒婦人」を貴族が奪ったことに対する憤りや嫉妬(しっと)が含まれており、シェークスピアの自叙伝を読み取ろうとする批評家は多いが、具体的にはまったく不明である。1609年版は「唯一の生みの親……W・H」に捧(ささ)げられているが、それがだれであるかは諸説があって一致しない。創作年代についても異説が多く、シェークスピア全作品のなかでももっとも多くの謎(なぞ)に包まれた興味ある作品であるが、ソネット形式としては「イギリス形式」(4・4・4・2行)を用い、イギリス文学に現れた最高のソネット集をつくりあげている。[小津次郎]
『吉田健一訳『十四行詩』(『世界名詩集大成9 イギリス篇』所収・1959・平凡社)』

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