タウナギ(英語表記)Monopterus albus

  • swamp eel
  • たうなぎ / 田鰻

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ウナギ目タウナギ科の魚。全長 1m。体は細長く,ほぼ円柱状で,尾部後端はとがる。眼はきわめて小さい。鰓孔は体の下面にあり,左右が一つになって 1個の裂孔をつくっている。胸鰭腹鰭をもたない。本州各地(移入),中国,マレー半島,東インド諸島に分布する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

タウナギ科の魚。形はウナギに似て,全長70〜80cmに達する。体色は黄褐色で,暗褐色斑紋をもつ。鰓は退化し,呼吸は主として消化管で行われる。東南アジア〜沖縄,朝鮮半島に分布。浅い池やの泥底にすむ。日本では東京上野の不忍池,京都の二条城などで繁殖しているが,自然分布かどうか不明。中国では食材として珍重される。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

硬骨魚綱タウナギ目タウナギ科に属する淡水魚。東南アジア諸国、中国、朝鮮半島南部に広く分布する。日本には中国大陸から移入され、関東地方以西に局部的に分布し、とくに近畿地方に多い。目が小さく、背びれや臀(しり)びれが未発達で、胸びれ、腹びれ、鱗(うろこ)がまったくなく、一見ヘビを思わすのでカワヘビの名もある。体は粘液で覆われ、背面は黄褐色、腹面はオレンジ色、暗褐色の斑紋(はんもん)または斑点が散在する。全長80センチメートルになる。南西諸島のものは、環境省のレッドリスト(2013)で、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性がきわめて高い、絶滅危惧ⅠA類に位置づけられている。

 水田や池、川にすみ、夜間に昆虫や小魚、底生動物を食べる。退化的なえらによっても呼吸をするが、皮膚や食道の呼吸補助組織によって空気呼吸をするので、溶存酸素の少ない水中や乾燥にもよく耐える。乾燥した田の1~2メートル下から生きて掘り出されたこともある。多くは性転換をし、34センチメートル以下は雌、46センチメートル以上(4歳魚)はすべて雄である。しかし、少数のものは初めから雄であり、12センチメートルで成熟する。水田の畔(あぜ)に穴をあけてすむ習性があり、水を漏らすので嫌われる。しかし、国によっては食用や造血用の薬物として珍重される。

[落合 明・尼岡邦夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

出し子

1 だし汁を取るための干した雑魚(ざこ)。煮干し。2 振り込め詐欺などの犯罪に利用された預金口座から現金を引き出す役をいう隠語。→掛け子 →受け子...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android