マレー半島(読み)マレーハントウ(その他表記)Malay Peninsula

デジタル大辞泉 「マレー半島」の意味・読み・例文・類語

マレー‐はんとう〔‐ハンタウ〕【マレー半島】

インドシナ半島からさらに南に長くのびる半島。北部タイミャンマー領、南部はマレーシア領で、南にシンガポール島がある。古くから東西交通の要地。ゴムや鉄・すずを産する。マラッカ半島マライ半島

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共同通信ニュース用語解説 「マレー半島」の解説

マレー半島

東南アジアにある半島。北部はタイ、ミャンマー、南部はマレーシア、シンガポールにまたがる。熱帯で雨が多く、動植物の種類も豊富ほうふで、多様な生態系せいたいけいがみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「マレー半島」の意味・読み・例文・類語

マレー‐はんとう‥ハンタウ【マレー半島】

  1. 東南アジア、インドシナの南部に突き出た半島。南部はマレーシア領、中部および北東部はタイ領、北西部はミャンマー領。気候は高温多雨。錫・金などの地下資源が豊富であり、ゴムを産出する。マラッカ半島。マライ半島。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マレー半島」の意味・わかりやすい解説

マレー半島
まれーはんとう
Malay Peninsula

インドシナ半島からさらに南に細長く延びた半島。通常クラ地峡以南の範囲をいう。長さ1100キロメートル、面積18万平方キロメートル。アンダマン海と南シナ海を分ける位置にあり、北部はタイ、南部はマレーシアに属し、最南端にはジョホール海峡を隔ててシンガポール島がある。古い地質からなる造陸地域で、中央部を侵食から取り残された数列のバンジャラン山脈が南北に走っている。高峰は少なく、タハン山(2189メートル)、コルブ山(2182メートル)、チャマー山(2170メートル)などが高いほうである。また、山地では所々で石灰岩に花崗(かこう)岩が貫入してできた急崖(きゅうがい)がみられ、この半島の自然景観の特色の一つとなっている。平野は構造平野、侵食平野の部分がかなり広く、河川は短小ではあるが水量の豊富なペラク川、ケランタン川、パハン川などが流れている。海岸は、西岸は泥床が多くマングローブが繁茂しているが、東岸は砂州が発達している。気候は、主要部は熱帯雨林気候で、気温の月変化が少なく、降水量の月較差も比較的少ない。しかし北に行くにしたがって降水量の季節変動は大きくなり、熱帯モンスーン気候となる。たとえば南部のクアラ・ルンプールでは、月降水量は最少の7月が130ミリメートル、最多の11月が279ミリメートルである。これに対して北部のプーケット島では、雨は4月~11月に集中し、最少の2月は36ミリメートルであるが、最多の9月は320ミリメートルとその差は大きくなる。年降水量は山脈にかなりの影響を受け、マラッカ海峡ボルネオ海沿岸では4000ミリメートルを超えるが、中央部山地では約2500ミリメートルと減少する。

 この半島は古くから東西交通の要地にあたり、また近代に入り錫(すず)鉱やゴム園の開発で急激に発達したため、住民構成は複雑である。主要民族のマレー人のほか、中国人、ヨーロッパ人、インド人などの外来人が多く住む。また山地にはセマンセノイなどの先住民族も居住するが、人口は少ない。

[大矢雅彦]

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改訂新版 世界大百科事典 「マレー半島」の意味・わかりやすい解説

マレー半島 (マレーはんとう)
Malay Peninsula

東南アジア,インドシナ半島からさらに南へ細長くのびてインド洋と南シナ海を分ける半島。北部はタイおよびミャンマー領,南部はマレーシア領で,南端にシンガポール島がある。全長約1700km,幅60~300km。マレーシア領の部分が最も幅広い。クラ地峡以南の部分(全長約1200km)のみをマレー半島ということもある。中生代の造山運動でできた山地は開析が進み,山頂のなだらかな山並み,丘陵状の老年期地形が各地に広く見られる。最高点はマレーシアのタハン山(2189m)。石灰岩および花コウ岩質の丘陵と沖積低地にはスズの埋蔵が多く,露天掘りによる採掘が盛んである。気候は典型的な熱帯多雨型で,年降水量は2500~3500mm,山地東側が11~2月,西側が3~8月により多雨となる。半島南西部(マレーシア)はスズ鉱とともにゴム,アブラヤシの産地として世界的に知られ,近年は工業も発達して東南アジアの産業先進地である。しかし熱帯雨林の大規模な伐採が続いたため,都市に洪水の被害が多くなってきた。
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百科事典マイペディア 「マレー半島」の意味・わかりやすい解説

マレー半島【マレーはんとう】

インドシナ半島南西部から南へ伸びる細長い半島。西はインド洋,南西はマラッカ海峡を隔ててスマトラと対し,東は南シナ海をはさんでボルネオと対する。特に東側ボルネオ海は広大なアジア大陸棚の一部をなす。また,北からクアラルンプール付近まで脊梁(せきりょう)山脈が連なり,海岸には平野が広がる。高温多湿の熱帯モンスーン気候で,約60%は熱帯降雨林におおわれる。ゴム,木材などのほか,スズ,金,ボーキサイトなど鉱物資源も豊富。近年は工業も発達して,東南アジアの産業先進地帯となっている。大部分マレーシアに属するが,北部はミャンマー,タイに属し,南端にシンガポールがある。
→関連項目アンダマン海シンガポール海峡

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マレー半島」の意味・わかりやすい解説

マレー半島
マレーはんとう
Malay Peninsula

インド洋と南シナ海を分けるインドシナ半島からさらに南方に突出した狭長な半島。北東部と中部をタイが,北西部をミャンマーが,南部をマレーシアが占める。基部のバンコク湾奥から南端まで全長約 1500km。最大幅は約 300km,最狭部はクラ地峡で約 50km。インドシナ山脈の支脈が南北に縦走する。最高峰はマレーシアのタハン山 (2187m) 。中央部は一般に熱帯雨林の未耕作地だが,東西の沖積平野のうち東海岸は主として稲作に,西海岸はゴムのプランテーションと稲作に利用されている。人口密度は,マレーシアではマラッカ海峡沿いの西海岸が高く,タイではタイ湾にのぞむ東海岸が稠密である。熱帯雨林気候で,11月~3月は北東季節風,4~10月は南西季節風が吹く。スズ,天然ゴムの世界最大の産地である。気候や人種の共通性により,クラ地峡以南はマレー諸島に含められることが多い。

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世界大百科事典(旧版)内のマレー半島の言及

【ムラユ】より

…そしておそらく12世紀末ごろからパレンバンをしのいで王国の中心となったらしい。その後彼らの一部はスマトラ西岸に進出して,現在のミナンカバウ族となり,また一部はマラッカ海峡を渡ってマレー半島西岸に住みつき,今日この地がマレー(マライ)半島と呼ばれる素地をつくった。彼らの国語であるマレー語は,敬語などが少なく日常会話に便利であったところから,その活発な商業活動によって,マレー半島からインドネシアのほぼ全海岸地方に広まり,取引のための公用語となった。…

※「マレー半島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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