タランテラ(その他表記)tarantella

翻訳|tarantella

デジタル大辞泉 「タランテラ」の意味・読み・例文・類語

タランテラ(〈イタリア〉tarantella)

イタリア南部の舞曲。急速な8分の6拍子または8分の3拍子で、しだいに激しさを増していくのが特色

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精選版 日本国語大辞典 「タランテラ」の意味・読み・例文・類語

タランテラ

  1. 〘 名詞 〙 ( [イタリア語] tarantella )[ 異表記 ] タランテッラ 舞曲の一つ八分六拍子または八分の三拍子の動きの速い曲で、南イタリアナポリ地方で発達。この形式を用いたショパンリストなどのピアノ独奏曲がある。〔外来語辞典(1914)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「タランテラ」の意味・わかりやすい解説

タランテラ
tarantella

南イタリアの活発な民俗舞曲。名称は南イタリアの古い都市ターラントに由来する。毒グモタランチュラも同じ語源をもち,タランテラは古くから,このクモの毒を解毒する舞踏療法と結びつけられていた。17,18世紀の文献によればタランテラは患者の症状に応じて処法されるべきであり,踊りを強いるために高く鋭い音が要求された。このほか,タランテラの起源については,死と再生をかたどった儀式と解釈したり,南イタリアはギリシアからの移民が多かったためディオニュシア祭のなごりと考えたりするなど多くの説がある。現在もナポリ地方に残るタランテラは,集団で踊られる長時間にわたる求愛の踊りで,急速なテンポの3/8や6/8拍子のリズム,短調を中心にした旋律を特徴とし,カスタネットやタンバリンで伴奏される。19世紀以降タランテラは芸術音楽にも採用され,異国情緒に,きわめて速いテンポと興奮が休みなく続く名技性が加わって好まれた。ロッシーニの歌曲,リストとショパンのピアノ曲が特に有名であり,南イタリアにちなんだ標題音楽,オペラ,バレーにしばしば現れ,ソナタ,交響曲,組曲などの終曲に使われた例も少なくない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タランテラ」の意味・わかりやすい解説

タランテラ
tarantella

イタリア,ナポリ地方の舞踊。名称は,イタリア南部の都市タラントに由来するとも,あるいは毒グモのタランチュラに咬まれたとき,この踊りを踊るとなおるという伝説に由来するともいわれたが,15~16世紀にイタリアで流行した舞踏病の一つ,タランチズム tarantismによるとする説が今日では有力である。サルタレロやトレスカに類似した踊りで,2人あるいは3人が動きの激しい跳躍と足踏みで快活に踊る。音楽は8分の6拍子。バレエ作品に採用され,特に A.ブールノンビルの『ナポリ』 (1842) が有名。そのほか『白鳥の湖』第3幕にもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タランテラ」の意味・わかりやすい解説

タランテラ
たらんてら
tarantella イタリア語
tarantelle フランス語

南イタリアの舞曲。6/8拍子の急速なもので、古くはカスタネットとタンバリンを手にした一組のカップルが踊った。この名称は、南イタリアの町タラントおよび同地方特有のタランチュラに由来し、16~18世紀にはこの毒グモにかまれたときの治療法として知られていた。しかし19世紀以後は新たに演奏会用作品として流行する。とくにショパンやリストのピアノ作品には、速いテンポで休みなく高度な演奏技巧を示す曲が多い。またウェーバーやメンデルスゾーンはソナタや交響曲の終楽章にこの舞曲を用いている。

[関根敏子]

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百科事典マイペディア 「タランテラ」の意味・わかりやすい解説

タランテラ

南イタリアの民俗舞曲。3拍子系の急速な舞踊で,ターラントにすむ毒グモのタランチュラに刺された人が踊るとも,踊ればなおるともいう。19世紀以降,クラシック音楽でも採りあげられた。

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世界大百科事典(旧版)内のタランテラの言及

【ストラビンスキー】より

…ロシア生れの作曲家で,20世紀の芸術音楽の展開に決定的な影響を与えた。ペテルブルグ郊外のバス歌手の家庭に生まれ,早くから音楽に親しみ,9歳の時からピアノと作曲を学び,16歳の時に最初のピアノ曲《タランテラ》を作曲した。父親の希望でペテルブルグ大学法学部に入学したが,音楽家の道を捨てきれず,法学部の友人の父親リムスキー・コルサコフに作曲を師事し,1902年に本格的な習作《ピアノ・ソナタ》を完成した。…

【イタリア音楽】より

…各地に伝わる素朴で独創的な和声法をとる合唱ポリフォニーはヨーロッパ最古の起源をもつと言われ,フィレンツェ近傍の山地で行われる〈五月祭の劇〉の音楽は,フィレンツェ市に近代オペラが興る前から存在する。代表的な舞曲のサルタレロやタランテラの起源も非常に古い。一方,そうした古い層の上に重ねられた新しい影響もまた民衆のものとして伝わり,たとえば近代的な調性(長・短両調)の使用,3度や6度の和声による合唱・合奏,マンドリン,ギター,アコーディオンなどの普及といったことがよく見られる。…

※「タランテラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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