毒グモ(読み)どくグモ(英語表記)toxic spider; poisonous spider

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「毒グモ」の意味・わかりやすい解説

毒グモ
どくグモ
toxic spider; poisonous spider

人に致命的あるいは激しい症状を起させる強毒をもつクモ類総称で,分類学的なまとまりはない。クモ類は世界に3万 5000種以上いるといわれ,ほとんどの種が牙から毒を出すが,人間に作用する成分の毒をもつものはわずか 30種程度である。特に有名なのはクロゴケグモセアカゴケグモなどのゴケグモ類で,アメリカを中心に熱帯および温帯地方に広く分布している。このほか,アメリカ産のイトグモの仲間 Loxosceles reclusaやオーストラリア産のシドニージョウゴグモ Atrax robustusなど強い毒性をもつものが知られている。日本産としては在来種のカバキコマチグモの毒性が比較的強く刺咬症例も報告されているが,死亡例はない。しかし,オーストラリアから人為移入により侵入したセアカゴケグモが関西地方に定着し,社会問題になったことがある。コモリグモが古くからドクグモと呼ばれてきたが,毒性は弱く,現在その名称は廃止されている。

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