ダッカ(その他表記)Dacca

翻訳|Dacca

デジタル大辞泉 「ダッカ」の意味・読み・例文・類語

ダッカ(Dhaka)

バングラデシュ人民共和国の首都。同国中央部、ガンジス川の支流ブリガンガ川とジャムナ川デルタ地帯にあり水路が多い。ムガル帝国時代以来、ベンガル地方の中心都市。旧市街はオールドダッカとよばれ、モティジールというビジネス街が隣接。同国最大のイスラム寺院バイトゥルムカロムがある。ジュート集散地。人口、都市圏533万(2001)。

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共同通信ニュース用語解説 「ダッカ」の解説

ダッカ

バングラデシュの首都。2015年の推定人口は1760万人。飲食店襲撃事件が起きたグルシャン地区は、大使館や高級レストランが並ぶ繁華街で、外国人が多く暮らす。15年10月には、ダッカのイスラム教シーア派施設で手製爆弾によるとみられる複数の爆発があり、1人が死亡、約90人が負傷した。過激派組織「イスラム国」(IS)の支部を名乗るグループが犯行声明を出した。1977年、日本赤軍のメンバーが日航機を乗っ取ったダッカ事件の舞台になった。(共同)

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精選版 日本国語大辞典 「ダッカ」の意味・読み・例文・類語

ダッカ

  1. ( Dacca ) バングラデシュ人民共和国の首都。ブラマプトラ川支流のブリガンガ川北岸に面する。一七世紀ムガール帝国東ベンガル地方の中心都市となり、一九四七年パキスタンの独立とともに東パキスタン州の州都、七一年バングラデシュ独立とともにその首都となる。ジュートの大集散地。

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改訂新版 世界大百科事典 「ダッカ」の意味・わかりやすい解説

ダッカ
Dacca

バングラデシュの首都。正式名称はダカDhaka(1982年10月改称)。人口564万(2001)。同国中央部,ブラフマプトラ川の支流ブリガンガー川に面する。起源は古いが,都市としての繁栄は1608年にムガル帝国のベンガル太守イスラーム・ハーンがベンガルの主都をここに移し,ときの皇帝にちなんでジャハーンギールナガルと命名したことに始まる。以後1704年にムルシダーバードに遷移するまでベンガルの主都はここにあった。1666年にはイギリス東インド会社の商館も設けられ,ベンガルにおける交易の中心として栄え,人口も数十万に達した。北方のカパシア(地名は〈綿〉を意味するカッパースに由来)産のインド最良といわれた綿花をもとに綿業や絹業が発達し,とりわけ最高級のモスリンの産地として知られた。しかし19世紀前半以降,産業革命期イギリスからの大量の綿布流入に伴い,綿業は壊滅的打撃をうけ,1881年には人口は7万9000に減少した。1905-11年のベンガル分割により,東ベンガル・アッサムの州都となり,1905年には旧市の北方に新市の建設が開始された。47年のインド,パキスタンの分離独立によりパキスタンの東ベンガル州の,さらに56年東パキスタン州の州都,また71年のバングラデシュ建国によりその首都となった。20世紀に入ってからの都市発展は新市の外延的拡大として展開しており,周辺には綿,ジュート,皮革,化学,機械,電器などの諸工業が立地している。旧市は商業を主とし,1678年起工のラール・バーグ要塞をはじめ,17~18世紀に建立されたモスクなども残る。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダッカ」の意味・わかりやすい解説

ダッカ
だっか
Dhaka

バングラデシュの首都。同国中部、ガンジス川支流のブリ・ガンガ川沿岸に位置する。人口894万2300、大都市圏人口1035万6500(2003推計)。16世紀ごろから栄え、ムガル帝国時代から、東ベンガル地方の政治・経済の中心地であった。インド・パキスタンの分離後、パキスタンの東パキスタン州の州都となり、1971年バングラデシュの独立によって首都となった。市街は旧市街と新市街とに分かれ、旧市街は建物が密集して商業センターとして機能していたが、独立戦争時に大部分が破壊された。新市街北部には独立後建設された新しい行政区があり、国会議事堂を中心に政府庁舎、官舎などが整然と並んでいる。旧市街との境には、モテジールとよばれるオフィス街が広がり、この国最大のモスク、バイタル・モカラムが建っている。新市街は北方に発展しており、グルシャン・バナーニなどの住宅街が急速に拡大している。ムガル帝国時代には、世界屈指の上質な綿織物であるダッカ・モスリンの製造が盛んであったが現在は衰退している。市の東方には、テージュガオンの工業地帯があり、金属、機械、印刷、食品加工などの工場がある。中心部には1920年に設立されたこの国最大のダッカ大学やラムナ公園がある。旧市街には、ムガル帝国時代のラール・バーグ砦(とりで)、タイル張りのスター・モスクなどの遺跡がある。市内の主要交通手段は、リキショとよばれる人力車で、市内全体で5万台が稼動。最近では自動車の交通量が増えてリキショは減りつつある。

[桐生 稔]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダッカ」の意味・わかりやすい解説

ダッカ
Dhākā

バングラデシュの首都。別綴 Dacca。ダッカ州の州都。バングラデシュ中部,ダレスワリ川の支流ブリガンガ (川) に臨む。 1608~39年および 1660~1704年ムガル帝国,東ベンガル地方の行政中心地となり,イギリス,フランス,オランダの商人による交易中心地として繁栄,1765年イギリス支配下に入り,1947年のパキスタン=イスラム共和国の独立とともに東パキスタン州の州都,1971年バングラデシュ独立により首都となった。旧市街地は商業地区で,ムガル帝国時代の砦ラールバーグ (1678) ,700以上のモスク,隊商宿などがある。新市街地にはイギリス支配時代の建物のほか行政機関,住宅街などがある。伝統のジャームダーニと呼ばれるモスリンの産地で,刺繍,絹,宝石などの手工業があるほか,南東部のナーラーヤンガンジ,北部のトゥンギーとともにバングラデシュ最大の工業地帯を形成。ジュート加工,綿織物,製油,化学などの工場が多い。教育中心地でもあり,ダッカ大学 (1921) をはじめ,工科大学などがある。郊外に国際空港がある。人口 700万940(2008)。

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百科事典マイペディア 「ダッカ」の意味・わかりやすい解説

ダッカ

バングラデシュの首都。ガンガー(ガンジス)川三角州東部に位置し,商工業の中心。ジュート,皮革,織物などの工業,金銀細工が行われる。1608年―1639年,1660年―1704年にはムガル帝国ベンガル地方の主都,のち英領。1905年―1911年,ベンガル分割によって東ベンガル・アッサムの州都。1947年パキスタンの東ベンガル州の州都。特産のモスリンは19世紀後半英国製品に駆逐された。宮殿(1644年),ラール・バーグ城塞(じょうさい)(1678年),大学(1921年創立)がある。703万3075人(2011)。
→関連項目バングラデシュ

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ダッカ」の解説

ダッカ
Dacca

バングラデシュの首都。ベンガル語のダカ(Dhaka)が正式名称。17世紀初めにベンガル太守が都を置いてから発展し始め,17~18世紀には高級綿織物ダッカ・モスリンの産地として世界に名を知られた。19世紀には衰退したが,19世紀末からジュートの集散地として発展し始め,1905年のベンガル分割によって東ベンガル・アッサム州の州都,47年のインド・パキスタン分離独立で東パキスタンの首都,71年のバングラデシュ建国でその首都とされた。分離独立前は,ダッカからその南にかけては,ベンガルの上位カースト・ヒンドゥーの集住地域として有名であった。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ダッカ」の解説

ダッカ
Dacca

バングラデシュの中央部,ガンジス川の三角州にある同国の首都
ベンガルのイスラーム地域の中心で,古来織物業が繁栄したが,19世紀初めイギリスの綿製品輸入で急速に衰えた。パキスタンの独立とともに第2首都となり,バングラデシュの独立で首都となった。

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世界大百科事典(旧版)内のダッカの言及

【バングラデシュ】より

…正式名称=バングラデシュ人民共和国Gaṇa Prajātantrī Bānglādés∥People’s Republic of Bangladesh面積=14万7570km2人口(1996)=1億2306万人首都=ダッカDacca(ダカDhaka.日本との時差=-3時間)主要言語=ベンガル語通貨=タカTakaインド亜大陸の東端に位置する〈水と緑の国〉である。ガンガー(ガンジス),ブラフマプトラ,メグナといった大河川の形成するデルタ地帯に広がるバングラデシュは,雨季にはその国土の大部分が水没する。…

※「ダッカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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