翻訳|channel
英語のchannelを片仮名で、「チャネル」または「チャンネル」と表記する。ネイティブな発音はチャネルに近い。理工系の学術用語ではチャネルを使い、JIS(ジス)(日本産業規格)、主要な学会・協会などがこれに準じている。学術用語の約束や国が定める規格などと関係の薄い場合、使い分けは社会や業界の慣例によっている。電気通信、電子工学、情報工学などの分野では、チャネルを使うことが多く、放送、家電などの分野ではチャンネルを使う慣例がある。チャネルは本来は船舶が航行する際の水路や海峡を意味することばである。現在では、意味が拡大されて、情報を伝える経路や手段を意味する用語として、広い分野でいろいろに使われている。分野は、社会一般、物流、半導体装置、コンピュータ、電気通信、放送、情報家電、生理学など多岐にわたっており、同じチャネルという用語でも、分野が違えば相互に関連はないことが多い。ここでは、チャネルが使われる分野と使用例全般について述べる。
(1)社会一般 組織や人の間をつなぐかかわりや情報通路をチャンネルとよぶことがある。日本語で「つて」や「人脈」などというものとほぼ同じ意味である。
(2)物流 流通の経路をチャネルとよぶ。流通チャネル、販売チャネル、およびこれらとインターネット通信販売などを含めた総合的なオムニチャネルなどがある。
(3)半導体装置 電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)などにおいて、ソース(電流の入口)とドレイン(電流の出口)の間の電流経路をチャネルとよぶ。構成要素としてn形半導体を使うnチャネル、p形半導体を使うpチャネルなどがある。
(4)コンピュータ 中央処理装置(CPU:central processing unit)と各入出力装置との間を連結するデータの転送路をチャネルという。
(5)ラジオ、テレビジョン 電波の中心周波数と帯域幅が放送局ごとに決められており、これをチャンネルとよぶ。チャンネルの割り当て計画をチャンネルプランという。また一つの電波で複数のチャンネルを同時に送信するマルチチャンネル放送がある。「チャンネルプラン」および「マルチチャンネル放送」の詳細については、それぞれの項目を参照されたい。
(6)情報家電 一つの伝送・録音源送出機から複数のオーディオ信号が送出される場合、各信号路をチャンネルという。2チャンネルステレオ(左チャンネルと右チャンネル)、マルチチャンネルオーディオ(5.1サラウンド、7.1サラウンドほか)などがある。テレビのリモコンの選局ボタンの数字をチャンネルボタンとよぶこともある。
(7)生理学 生体膜(細胞膜など)にあり、イオンを通過させるために存在する一種の膜タンパク質をイオンチャンネル(イオンチャネル)という。バクテリアから高等動物まですべての生物の生命維持と活動に必要なものである。特殊な例であるが、チャネルという用語の幅広い使い方の例としてとりあげた。
[吉川昭吉郎]
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