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ツェツェバエ tsetse fly

翻訳|tsetse fly

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ツェツェバエ
tsetse fly

熱帯アフリカ,特に水辺の森林に生息する吸血性のハエの総称。その種類は 20をこえる。雌の成虫は地上に成熟した幼虫を産む。アフリカ睡眠病病原体である。トリパノソーマを媒介するハエとして知られている。ツェツェとは現地語で「家畜を殺すハエ」を意味する。

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百科事典マイペディアの解説

ツェツェバエ

双翅(そうし)目ツェツェバエ科に属する昆虫の総称。体長10mm内外。熱帯アフリカに約20種類があるが,グロッシナ・パルパリス,グロッシナ・モンシタンスが最も知られる。
→関連項目ハエ(蠅)

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世界大百科事典 第2版の解説

ツェツェバエ【tsetse fly】

双翅目ツェツェバエ科Glossiniidaeに属する昆虫の総称(イラスト)。英名のtsetseは,ボツワナのセチュアナ語から由来したもので〈ウシを倒してしまうハエ〉の意である。サハラ砂漠以南のアフリカ大陸に分布し,23種知られている。イエバエに似るが口吻(こうふん)は鋭く,吸血に適応している。雌雄とも食物は種々の動物の血液である。触角の刺毛は羽状であるが,側枝にも小毛が生ずるのが本科のハエの特徴である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ツェツェバエ
つぇつぇばえ
tsetse fly

昆虫綱双翅(そうし)目環縫亜目ツェツェバエ科Glossinidaeの昆虫の総称。体長はハエ類では中形から大形で、中形種が体長6~9ミリメートル、大形種が10~14ミリメートル。褐色もしくは暗褐色。口吻(こうふん)は針状、頭部下部より前方に突出している。はねの中室が手斧(ておの)形で、触角端刺には背面にのみ二叉(にさ)に分かれた毛を列生する。はねは腹部背面に重ねて静止する。動作は敏速で、人畜を襲撃して吸血する。
 本科には22種が知られ、すべてアフリカ産である。アフリカの睡眠病やナガナ病などの病原体であるトリパノソーマを媒介するので衛生上重要である。胎生で、卵は子宮内で孵化(ふか)し、幼虫は母虫の子宮付属腺(せん)(ミルク腺)から分泌される栄養を吸収し成熟する。3齢幼虫は丸みをもったウジで、前蛹(ぜんよう)に成熟すると産下され、ただちに土中に潜って蛹化する。幼虫は一度に1匹が子宮で成熟する。蛹(さなぎ)は黒褐色で爆弾形をしている。成虫は森林やサバンナに多くみられ、蛹は倒木の下、大きな木の根元、岩陰などの乾燥した粗い土中に発見される。成虫は動物の呼気中の二酸化炭素に誘引されて吸血に飛来する。サバンナツェツェバエGlossina morsitansが有名で、この種は北スーダンからトランスバールまで分布し、ローデシアトリパノソーマを媒介する。[倉橋 弘]

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世界大百科事典内のツェツェバエの言及

【睡眠病】より

…アフリカトリパノソーマ症African trypanosomiasisともいわれる。アフリカトリパノソーマのTrypanosoma bruceiという鞭毛虫が,ツェツェバエの刺咬により,ヒトに侵入することにより発症する。種々の節足動物により機械的に宿主間に伝播されることもある。…

【トリパノソーマ】より

…トリパノソーマ・ガンビエンセT.gambienseおよびトリパノソーマ・ローデシエンセT.rhodesienseは,アフリカ睡眠病の病原体である。アフリカ睡眠病はツェツェバエによって媒介され,トリパノソーマ感染動物(ライオン,ハイエナ,ウシなど)をツェツェバエが吸血してトリパノソーマを取り込み,次いでヒトを感染させる。トリパノソーマ・クルジT.cruziは,南アメリカ,中央アメリカにみられるアメリカトリパノソーマ症(発見者にちなんでシャガス病Chagas’ diseaseとも呼ばれる)の病原体で,媒介動物はサシガメ科の昆虫であり,病原体保有動物はアルマジロ,イヌ,ネコ,コウモリなどである。…

※「ツェツェバエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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