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睡眠病 スイミンビョウ

デジタル大辞泉の解説

すいみん‐びょう〔‐ビヤウ〕【睡眠病】

アフリカの西部および中部にみられる感染症。トリパノソーマという鞭毛虫(べんもうちゅう)がツェツェバエなどに媒介されて血液中に寄生することによって起こる。感染後数か月から数年で昏睡に陥って死亡する。ねむり病。アフリカ睡眠病

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世界大百科事典 第2版の解説

すいみんびょう【睡眠病 sleeping disease】

アフリカトリパノソーマ症African trypanosomiasisともいわれる。アフリカトリパノソーマTrypanosoma bruceiという鞭毛虫が,ツェツェバエの刺咬により,ヒトに侵入することにより発症する。種々の節足動物により機械的に宿主間に伝播されることもある。トリパノソーマは多形態を示す原虫の一種である。アフリカトリパノソーマは,アフリカ大陸に分布し,ガンビアまたは中央・西アフリカ型と,ローデシアまたは東アフリカ型がある。

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大辞林 第三版の解説

すいみんびょう【睡眠病】

アフリカにみられる地方病。トリパノソーマという原虫の感染により発病し、ツェツェ蠅ばえがこれを媒介する。末期に嗜眠しみん状態になり死亡するのでこの名がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

睡眠病
すいみんびょう

住血鞭毛(べんもう)虫類に属するトリパノソーマ・ガンビエンスTrypanosoma gambienseと、トリパノソーマ・ローデシエンスT. rhodesienseによっておこる急性または慢性の原虫感染症で、慢性型では中枢神経系が侵され昏睡(こんすい)から死に至るために睡眠病とよばれる。ツェツェバエの1種であるサシバエに吸血されて感染する。睡眠病の分布はアフリカ大陸のツェツェバエが生息する北緯20度から南緯20度までの赤道中心地域に限定されているため、アフリカ睡眠病ともよばれる。潜伏期は一般に10日~3週間であるが、臨床症状の発現には2~5年もかかる場合がある。症状は1期と2期に分かれ、第1期では発熱やリンパ節腫脹(しゅちょう)を特徴とし、第2期では中枢神経系が侵されて髄膜炎や脳炎の症状がみられ、重症では昏睡から死に至る。
 治療としては初期にスラミン、ペンタミジンなど、進行例にはトリパルサミド、メラルソプロールなどのヒ素剤やニトロフラゾンなどが有効である。[松本慶蔵・山本真志]

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世界大百科事典内の睡眠病の言及

【トリパノソーマ】より

…トリパノソーマには多数の種類があるが,ヒトの血液や組織に寄生して病原性をもつものは数種である。トリパノソーマ・ガンビエンセT.gambienseおよびトリパノソーマ・ローデシエンセT.rhodesienseは,アフリカ睡眠病の病原体である。アフリカ睡眠病はツェツェバエによって媒介され,トリパノソーマ感染動物(ライオン,ハイエナ,ウシなど)をツェツェバエが吸血してトリパノソーマを取り込み,次いでヒトを感染させる。…

※「睡眠病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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