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ティリヒ Tillich, Paul Johannes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ティリヒ
Tillich, Paul Johannes

[生]1886.8.20. ブランデンブルク,シュタールツェデル
[没]1965.10.22. シカゴ
ドイツの神学者,哲学者で,後半生はアメリカで活躍。ベルリン,テュービンゲン,ハレの各大学で神学,哲学を学ぶ。第1次世界大戦中,従軍牧師となり,戦後ドイツ社会主義運動に参加,その理論的基礎づけを行う。 1924~33年マールブルク,ドレスデン,ライプチヒ,フランクフルトの各大学の神学,哲学の教授をつとめたが,ナチズムを批判したために追放され,アメリカに渡り (1933) ,ユニオン神学大学,ハーバード大学で「哲学的神学」を講じた。その哲学的神学は,啓示と理性を区別しつつ,キリスト教神学の成果を,伝統的神学,神秘主義,観念論,実存主義の提出した問いに呼応すべき生ける信仰として解釈した。主著『組織神学』 Systematic Theology (3巻,51~63) ,『存在への勇気』 Courage to Be (52) ,『新しき存在』 The New Being (55) 。

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デジタル大辞泉の解説

ティリヒ(Paul Tillich)

[1886~1965]ドイツ生まれの米国の神学者・哲学者。キリスト教的社会主義運動の指導者として活動、ナチス政権誕生とともに渡米帰化し、信仰的実在論を展開した。著「組織神学」など。

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百科事典マイペディアの解説

ティリヒ

ドイツ生れ,米国のプロテスタント神学者。宗教社会主義運動に関与,ナチズムを公然と批判し,1933年フランクフルト大学を追放され,ニーバーの招きで渡米。以後ユニオン神学大学,ハーバード大学教授。

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世界大百科事典 第2版の解説

ティリヒ【Paul Tillich】

1886‐1965
アメリカのプロテスタント神学者,哲学者。ドイツのルター派教会の牧師の子として生まれ,神学と哲学を学んだあと牧師となる。第1次世界大戦中には従軍牧師となり,兵隊との接触から大衆と教会の遊離を痛感し,戦後は宗教社会主義の運動に参加,キリスト教とマルクス主義の相互批判を経た総合の立場を理論的に展開した。その理論構築から生まれたのが〈充満の時〉を意味する〈カイロス〉や,創造的かつ破壊的な力を意味する〈デモーニッシュ〉など新約聖書の用語の,歴史哲学と社会哲学における概念化である。

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大辞林 第三版の解説

ティリヒ【Paul Tillich】

1886~1965) ドイツ生まれの神学者。ナチズムの迫害を避けてアメリカに帰化。実存主義と弁証法神学の影響を受けて、「相関の方法」による神学と哲学の関係の解明を試み、独自の神学を確立した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ティリヒ
てぃりひ
Paul Tillich
(1886―1965)

プロテスタント神学者、哲学者。北ドイツに生まれ、学業を終えてのち、第一次世界大戦に牧師として従軍。1919年ベルリンを最初にマールブルク、フランクフルトなどの大学で教えたが、宗教社会主義運動の指導者としてナチスにより解職され、1933年アメリカに渡る。後半生はユニオン神学校、ハーバード、シカゴ大学の教授としておもにアメリカで活動した。その思想の中心テーマは、キリスト教の啓示(福音(ふくいん))を現代の状況に関連づけて再解釈することにあった。彼はこの自らの立場を「相関の方法」による「答える神学」とよび、K・バルトらの弁証法神学から区別した。この立場では哲学のみならず、文学、芸術、教育、社会、政治など、およそ文化全般が宗教的な意味をもつことになる。彼はこうした視点から、現代社会における人間の問題に深い洞察を示し、大きな影響を与えた。『組織神学』3巻など著書も多い。[田丸徳善]
『谷口美智雄・土居真俊訳『組織神学』全3巻(1955~1984/復刊・1990~2004・新教出版社)』

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