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テティス Thetis

翻訳|Thetis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

テティス
Thetis

ギリシア神話の女神。海の老人ネレウスと,オケアニデスの一人であるドリスの間に生れたネレイデスたちの一人で,最初ゼウスとポセイドンの求婚を受けていたが,テミスまたはプロメテウスから,彼女が父よりも強力な息子を生む定めになっていることを教えられた両神は,テティスとの結婚を断念し,人間の英雄ペレウスと彼女を結婚させた。テティスから生れたペレウスの子が,予言どおり,父をはるかに凌駕する勇士アキレウスで,彼女はこの子を不死にしようとしたが,ペレウスの妨害によって失敗し,夫と別れて海に帰った。しかし以後も地上に残した息子の身を案じ,あらゆる手段を尽してその安全と名誉を守ることに努めたとされる。

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デジタル大辞泉の解説

テティス(Tethys)

土星の第3衛星。1684年にカッシーニが発見。名の由来はギリシャ神話の巨人。巨大なオデュッセウスクレーターや、全長2000キロにおよぶ渓谷イサカ‐カズマがある。公転軌道を小形の2衛星(テレストカリプソ)と共有し、これらはテティスと土星が形成するラグランジュポイント上にある。直径は約1070キロ(地球の約0.08倍)。平均表面温度はセ氏マイナス190度。テチス
[補説]イサカ‐カズマ(Ithaca Chasma)は日本人名を由来とする名称ではない。カズマは裂溝帯(れっこうたい)と呼ばれる地形のこと。

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百科事典マイペディアの解説

テティス

ギリシア神話の海の老人ネレウスの娘。ペレウスと結婚してアキレウスを産んだ。
→関連項目ネレウスペレウス

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

テティス
ててぃす
Thetis

ギリシア神話の海の女神。海神ネレウスの50人の娘たち(ネレイス)の1人。ゼウスとポセイドンが彼女に求婚したが、彼女から生まれる子はその父を凌駕(りょうが)するだろうとのテミス(またはプロメテウス)の預言から、結局彼女は人間の妻として与えられることになった。そしてケイロンの知恵により、ペレウスは彼女を妻にすることができた。海神の一族であるテティスは自由に姿を変えることができたが、ペレウスは逃れようとした彼女をつかまえて離さなかったのである。2人の結婚式にはほとんどの神々が出席したが、争いの女神エリスだけが招かれなかった。そのためこれを恨んだエリスは、黄金のリンゴを祝宴の満座の中に投じ、これが原因となってのちにトロヤ戦争が起こる。あるときテティスは、生まれた男の子を不死身にしようと夫に隠れて火中に子を投げ入れていたが、ペレウスに発見されると海底へ去っていった。男の子は、母の手に隠れた踵(かかと)の部分を除いてほとんど不死身となった。これが英雄アキレウスである。テティスは海へ去ったあとも、アキレウスのためにあらゆる努力を惜しまなかった。[伊藤照夫]

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世界大百科事典内のテティスの言及

【アキレウス】より

…ギリシア伝説で,トロイア戦争におけるギリシア軍最大の英雄。テッサリア地方のフティア王ペレウスPēleusと海の女神テティスThetisとの子。赤子のころ,わが子を不死身にしようと願ったテティスによって冥界の川に浸されたが,母親の手がつかんでいたかかと(踵)だけは生身のままに残った(アキレス腱)。…

【ペレウス】より

…このためアンティゴネは自殺し,ペレウスも王に謀られてペリオン山中で殺されかかったが,ケンタウロス族の賢者ケイロンに救われたので,復讐として王妃を殺し,イオルコスを破壊した。その後,ゼウスの意向で海神ネレウスの娘テティスThetisを妻に迎え,二人の間にアキレウスが生まれたという。【水谷 智洋】。…

※「テティス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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