トリエチルアルミニウム(読み)とりえちるあるみにうむ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トリエチルアルミニウム
とりえちるあるみにうむ
triethylaluminium

有機アルミニウム化合物の一つ。アルミニウム、エチレンおよび水素から合成する。酸化されやすく、空気中では自然発火する。水とは爆発的に反応する。したがって不活性ガス中に貯蔵する。ヘキサン、トルエンなどの炭化水素溶媒に可溶であり、炭化水素溶液にすると発火を抑えることができ、取り扱いやすくなる。

 重合触媒として重要で、ツィーグラー型触媒としてトリエチルアルミニウム単独でエチレンの重合によりポリエチレンを製造するのに用いられていたが、その後、塩化チタンとトリエチルアルミニウムとを組み合わせたツィーグラー‐ナッタ触媒(TiCl4/MgO-Al(C2H5)3など)がポリエチレン製造触媒の主流になった。ロケットエンジンの添加剤・高性能燃料の成分として用いられている。

[佐藤武雄・廣田 穰]

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化学辞典 第2版の解説

トリエチルアルミニウム
トリエチルアルミニウム
triethylaluminium

Al(C2H5)3(114.17).アルミニウムとジエチル亜鉛との反応で生成する.工業的には,アルミニウムとエテンと水素から直接合成される.無色の液体.沸点207 ℃(外挿法による.190 ℃ で分解).凝固点-46 ℃.1.480.0.8324.粘度2.58 cP(25 ℃).有機溶媒に可溶で,ベンゼン中では二量体になっている.空気中で自然発火し,水に接触すると爆発する.エーテル,ホスフィン化合物などのルイス塩基と付加物をつくる.塩化チタン(Ⅳ)と組み合わせてチーグラー-ナッタ触媒を構成する.また,エチル化試薬としても重要である.[CAS 97-93-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典内のトリエチルアルミニウムの言及

【アルキルアルミニウム】より

単量体はアルミニウムのまわりに炭素原子が平面三角形に結合した形をしている(215℃/30mmHg)。
[トリエチルアルミニウム]
 化学式Al(C2H5)3。融点-52.5℃,沸点75~80℃(2.5mmHg),比重0.84(20℃)。…

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