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トリチェリの実験 トリチェリノジッケン

デジタル大辞泉の解説

トリチェリ‐の‐じっけん【トリチェリの実験】

1643年にトリチェリが行った真空大気圧を示す実験。一端を閉じた長さ約1メートルのガラス管に水銀を満たし、開いた一端を水銀を入れた別の容器に倒立させると、管内の水銀は約760ミリメートルの高さまで下降して止まり、ガラス管の上部は真空となる。これによって大気圧の存在がわかり、初めて真空を作るのに成功した。

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大辞林 第三版の解説

トリチェリのじっけん【トリチェリの実験】

トリチェリが真空・大気圧を実験的に示そうとして1643年に行なった実験。一端を閉じたガラス管(約1メートル)に水銀を満たし、水銀槽に倒立させると管内の水銀は管外の面からおよそ760ミリメートルの高さまで下がって止まる。これは大気圧がこの高さの水銀柱の圧力と釣り合うためで、水銀柱が下降した空間をトリチェリの真空という。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トリチェリの実験
とりちぇりのじっけん

イタリアのトリチェリが1643年に同僚のビビアーニVincenzo Viviani(1622―1703)とともに行った実験で、真空と大気圧の存在を示したもの。一端を閉じた長さ1メートル余りのガラス管に水銀を満たし、それを水銀の入った容器に倒立させると、ガラス管の中の水銀は76センチメートルの高さまで下降して止まり、ガラス管の上部は真空となる。これは人類が初めてつくった真空であり、トリチェリの真空とよばれる。この時代までは、アリストテレス流の自然学に従って真空はありえないと考えられてきたが、彼は真空の存在を実験によって示したのである。
 トリチェリはまた、ガラス管内の水銀が中途に止まる原因を大気の重さに帰して、地表は深さ数十キロメートルの大気の海の底であり、容器の水銀面にかかる大気の重さ(正しくは圧力)が水銀柱の重さとつり合ってそれを支えているのだと論じた。それまで「自然は真空を嫌悪する」ということばによって説明されてきた揚水ポンプの「吸い上げ」のような現象にも、ほぼ正しい説明が与えられた。彼はさらに大気の重さ(気圧)が日々変動することにも気づいており、トリチェリの実験は最初の気圧測定でもあったわけである。この実験を契機として17世紀なかば以後、真空に関するさまざまな実験的研究が行われ、真空の存在と大気圧の作用が明らかにされていった。[内田正夫]

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