ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セーリス」の意味・わかりやすい解説
セーリス
Saris, John
[没]1643.12.11. フルハム
イギリス東インド会社の貿易船隊司令官。東インド会社員として 1604年第2回の東洋航海に加わり,ジャワ島バンタム商館首席商務員として 1610年まで在勤ののち帰国。翌 1611年4月第8回航海には『クローブ』号,『ヘクター』号,『トマス』号の 3艘を指揮してダウンズ港を出てインドに向かったが,当初の目的地スラトへの寄港を断念し,『クローブ』号のみでバンタムを経て平戸に着いた。1613年6月 (慶長18年5月) のことで,この夏ウィリアム・アダムズを同道して駿府で徳川家康に,江戸で徳川秀忠に謁した。ジェームズ1世の国書と贈り物を献じて貿易許可の朱印状を得,平戸にイギリス商館を設置,リチャード・コックスを商館長に任じた。バンタムを経由して 1614年9月プリマス港に帰った。著書に『日本渡航記』があり,『新異国叢書』に収められている。
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